9歳が快挙…コロナの影落ちる地域を笑顔に 短歌で全国最高賞

西日本新聞 社会面 今井 知可子

 庭先で見つけた、びっくりするほど小さいカタツムリに命の輝きを感じた9歳の短歌が、全国コンクールで最高賞に選ばれた。福岡県古賀市の青柳小4年、西尾千春さん。新型コロナウイルスが暮らしに暗い影を落とす中、図工と本が大好きな少女の快挙が、地域に笑顔を呼び起こしている。

 西尾さんが受賞したのは、全国の小学生5万8824人が応募した「第15回しきなみ子供短歌コンクール」(一般社団法人倫理研究所主催)で、3人だけが選ばれる文部科学大臣賞。

 かたつむり ちいさい命 はのうえに わたしのつめが おおきくみえる

 昨年の夏休み。西尾さんは仲のいい友達の祖母宅の庭で、アジサイの葉の裏にカタツムリの赤ちゃんを見つけた。これまで見たカタツムリよりずっと小さい。葉を持つ小指の爪の方が大きかった。「ゆっくりゆっくり動く様子はがんばって生きているように見え、落ちないようにそっと葉をもとにもどしました」。受賞が決まった後、当時の様子をこう文章につづった。選者からは「素直な発見が、鮮明なイメージとなって一首の短歌に結実した」と評価された。

 西尾さんが通う青柳小は、青柳川と田畑に囲まれた自然豊かな地にある。6年生になると、5日間かけて100キロを歩く「青小100キロキャラバン」に挑むのが伝統だ。卒業生には昨年のラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表として大活躍した福岡堅樹選手もいる。W杯後には母校を訪れ、「びっくりした」と西尾さん。

 これまで「詩は書いたことがある」という西尾さんだが、短歌は文字数を合わせるのが難しく、何日も何回も考えて書き直した。校長から受賞の知らせを聞いたときは「何のことかよくわからなくて、ドキドキした」という。

 現在は学童保育に通う西尾さん。学校の桜は今が満開。6日予定の始業式で、みんなと顔を合わせるのが待ち遠しい。 (今井知可子)

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