福岡で感染急増 強い危機感共有する時だ

西日本新聞 オピニオン面

 新型コロナウイルスの感染拡大が爆発的に進むか、持ちこたえるか-。福岡県は今、重大な局面を迎えたと言える。県民はもちろん、関係の深い九州全県で強い危機感を共有すべきだ。

 3月25日には9人だった福岡県の累計感染者数は、わずか1週間ほどで8倍以上に増えた。これにより、九州の感染者数も100人を大きく超えた。

 福岡県の小川洋知事は、あすから3週間にわたり、週末の外出自粛を県民に要請した。感染が拡大している首都圏や関西などへの不要不急の往来を控えることも求めている。

 今なら、まだ間に合うかもしれない。全ての県民が当事者意識を高め、感染と拡大の防止に取り組むことが大切になる。

 北九州市門司区の新小文字病院では、4月1日だけで17人の医療スタッフの感染が確認された。院内感染とみられる。

 医療機関の集団感染は全国で相次いでいる。重症化が懸念される高齢者や持病がある人も利用するだけに、改めて感染防止策の徹底を求めたい。

 3月に大分市の国立病院機構大分医療センターを中心に発生した集団感染は、千人以上のPCR検査を実施し、ひとまずは拡大に歯止めがかかっている。北九州市の病院の集団感染も、感染の可能性がある人を可能な限り特定し、早急に検査することが欠かせない。

 医療機関や福祉施設での集団感染とは異なり、感染経路が不明な感染者の増加も深刻な兆候と言える。福岡市などでも急増している。有効な対策が打ちにくいだけでなく、オーバーシュート(爆発的患者急増)につながる要因の一つである。

 このウイルスは感染しても、症状がなかったり軽症だったりする人が多く、知らぬ間に感染源となってしまう人もいるはずだ。全ての市民が「自分が感染源になるかもしれない」との自覚を持ち、手洗いやせきエチケットを徹底する必要がある。当面は屋内の集会やイベントへの参加、宴会などを避けることが肝要だろう。

 元気な若者たちにはストレスがたまる春になっているに違いない。しかし、ここは我慢をして「感染しない・感染させない」行動を心掛けてほしい。

 現状の感染者の急増には、感染症専門病床だけでは対応できない。福岡市では既に一般病院に入院する人も出始めた。地域医療への深刻な影響を重く見た日本医師会は1日に「医療危機的状況宣言」を出している。

 最重要なのは命に関わるような重症化の防止である。国と自治体は各地の状況に応じた医療体制構築を急がねばならない。待ったなしの課題である。

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