「復興桜」阿蘇の門前町彩る 東北の被災地から届いた苗木が開花

西日本新聞 社会面 佐藤 倫之

 熊本地震からの復興を願い、東日本大震災の被災地から昨年2月、熊本県阿蘇市の阿蘇門前町商店街に寄贈された桜の苗木が花を咲かせた。「復興桜」と呼ばれる幼木は、まだ人の背丈ほど。新型コロナウイルス感染拡大の影響で人通りは少なく、せつない春となったが、満開の桜並木の一隅をけなげに彩っている。

 苗木は、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の関係者から手渡された。同地区は仙台空港近くにあり、津波で約800人が犠牲になった。神社や学校の桜はその春、傷つきながらも花を咲かせた。地元有志は、生き残った芽から苗木を増やし、商店街にも届けた。

 35店舗が軒を寄せる商店街は、阿蘇神社の参道沿いにある。古くからの桜並木がアーチ状に広がり、例年、道に畳を敷き座敷形式で楽しむ花見が開催される。今年は、新型コロナウイルス感染防止のため中止されたが、贈られた苗木6本のうち1本が開花した。

 開花した苗木の近くでイタリア料理店を営む藤崎雅也さん(42)は、熊本地震から半年後の2016年11月に店を開いた。元々は和食料理人で、イタリアに2年ごとに渡り料理を習った。そのイタリアでは感染死者数が1万3千人を超え、心を痛める。「今年も家族で向かう予定だった」という。

 商店街の人々は地震直後、湧水を活用し炊き出しで住民を支援。東北や西日本豪雨被災地の広島県と交流を深めながら、商店街再興を目指すが、コロナ禍で人通りは激減している。

 商店街振興協会の杉本真也理事長(57)は「地震の時とも違い、経験したことのない経営難。東北の人たちの思いもこもった桜が、こんなにも晴れ晴れと咲き、本当は多くの人に愛(め)でてもらいたい」と語った。 (佐藤倫之)

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