終息願い消えた人波 新型コロナ・九州自粛の週末

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自治体から市民への外出自粛要請が相次いだ九州各県では4日、中心部の通りから人波が消えた。九州最大の繁華街、福岡市の天神や博多駅周辺の主要商業施設は軒並み臨時休業し、夜の歓楽街も客足が鈍った。週末とは思えないほど静まりかえった街の風景は、ウイルスの脅威が市民生活に忍び寄ってきていることを物語る。

 「JR博多シティ」や「キッテ博多」など周辺施設が臨時休業となったJR博多駅前は、人通りがまばら。普段の混雑ぶりは全くなかった。食材を買いに訪れた福岡市博多区の女性会社員(54)は「いつもと様子が全然違う。必要最低限の用事を済ませて帰る」と足早に通り過ぎた。2週間に1度、大阪から訪れる50代の男性会社員も「この前まで若者や学生であふれていたのに」と変化に驚いた。

 天神地区でも岩田屋本店、福岡三越、イムズなど大半の商業施設が休業。ドラッグストアなどを除いてシャッターが閉まった天神地下街にも「平時」の華やかさはない。同市東区の自営業の男性(68)は「ここで引き締めないと、ますます感染が広がる。休業は仕方ない」と理解を示した。

 例年、車座の花見客でにぎわう同市中央区の舞鶴公園。宴会を伴う花見の自粛要請が出ていることもあり、好天にもかかわらず散歩の人たちがいる程度。「ママ友との花見もすべてキャンセルした」という同区の主婦(31)は、生後6カ月の娘と桜の写真を撮った。

 福岡県は、夜間の接客を伴う飲食店などへの外出自粛も要請。九州最大の歓楽街、同市・中洲からも騒がしさが消えた。すし店の男性従業員(62)は「週末は夕方早くからにぎわうが今日は客1組だけでぱったり。来週はもっと厳しくなるだろう」と肩を落とす。

 交通機関の利用者も目に見えて減った。福岡、熊本、大分3県などへの不要不急の外出自粛を要請した佐賀県。佐賀駅バスセンター(佐賀市)の天神行きのバス乗り場に、若者らのバス待ちの列はなかった。「福岡行きの客がきょうは本当に少ない」と窓口職員。

 福岡市の予備校に書類を提出する佐賀市の男性(18)はマスク姿で除菌シートを持参。「行くのに不安はある」と言い、午前の便に1人だけ乗り込んだ。

 JR長崎駅(長崎市)は、3月28日に新駅舎が開業して初の週末を迎えたが、真新しいホームを往来する人は少ない。駅職員は「通勤通学客がいる平日の方が多い印象」と、福岡方面などへの乗車券の払い戻し対応に追われた。

 同駅構内の観光案内所によると、路面電車の1日乗車券の売り上げはこの数日、例年の3分の1程度。大分市へ向かう男性会社員(36)は「日帰りでさっと戻ってくる」と話した。 (郷達也、北島剛、本田彩子、徳増瑛子)

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