「にぎわいを再び」若手店主らイベント次々 福岡・志免町銀座通り

西日本新聞 ふくおか都市圏版 後藤 潔貴

 「かつてのにぎわいを取り戻そう」。福岡県志免町志免2丁目の「銀座通り」の商店主ら若者約10人が3月、通りの再興を目指すまちおこしグループ「GINZA STREET」を結成した。小さなイベントなどを開きながら、少しずつ歩みを進めるつもりだ。

 旧志免鉱業所竪坑櫓と県道68号をつなぐ、東西約200メートルの通りはかつて、商店約50店が軒を連ね、付近で一番のにぎわいを見せた。志免鉱業所閉山(1964年)後も、一帯は住宅地として再開発され、隆盛は昭和の終わり頃まで続いたという。

 しかし現在は数店が営業するだけで、全国の多くの商店街同様、シャッター通りとも形容される寂しい通りに変わり果てた。両親が営んだ鮮魚店の跡で、料理店「肴也(さかなや)」を開く古賀匡也(まさや)さん(38)は「夏には夜市があって歩行者天国を大勢の人が歩いていた」と往時を懐かしみながら、今や県道68号の抜け道となった現状を嘆いていた。

 変化が起きたのは昨年9月だった。料理店の隣に精肉店「お肉の大ちゃん」が、翌10月には、通りの向かいに駄菓子店「志免一商店」が、相次いでオープンした。

 お肉の大ちゃんは、飯塚市の精肉店従業員で独立を目指していた中嶋大輔さん(36)が、たまたま紹介された空き店舗に開いた。志免一商店は、昔のにぎわいを知る近所の林成之さん(52)が知り合いのつてをたどって、やはり空き店舗だった建物に開店した。

 「もう一度、人の流れを取り戻すチャンスだ」。古賀さんが動いた。まずは自身の店で11月、持ち帰り用の刺し身や煮魚といった総菜販売を始めた。狙い通り、買い物客が少しずつ戻ってきた。お肉の大ちゃんは、量り売りや半調理品が小世帯の高齢者や若者に人気となり、志免一商店も、子どものたまり場となりつつあった。

 「一回、お祭りしませんか」。古賀さんが中嶋さんと林さんに声を掛けた。祭りは「GINZA祭り」と題して今年2月に開催。射的コーナーには子どもたちが行列をつくり、バーベキューコーナー、利き酒コーナーには大人たちの笑顔が集った。何より近所の老若男女が喜んでくれたことが一番うれしかった。

 「次もやりたいね」。3人が手応えを感じていると、徐々に周辺からも賛同する商店主らが集まり始めた。カラオケ店、薬局、美容院-。職種はさまざまだが思いは同じだ。

 「昔あった地域のつながりを、少しずつ取り戻していければ。そして、銀座通りに行けば何か楽しいと思ってもらえるようになれば」。手始めに、3月中旬から毎週金、土曜日の正午~午後4時、店舗駐車場にテーブルや椅子を置いた「ぎんざ子供広場」を設置した。新型コロナウイルスの影響で出かける場所が少ない子どもたちに少しでもリラックスしてもらうのが目的だ。今後も、ライブやくじ引き大会といった小さな催しを重ねていくという。 (後藤潔貴)

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