新型コロナとインフル、同時感染はある? 共通する症状…注意点は

西日本新聞 社会面 吉田 真紀

 新型コロナウイルス感染症が日本各地で急速に広がった2、3月は、例年は季節性インフルエンザが流行する時期だった。この二つの感染症に同時に罹患(りかん)することはあるのだろうか。

 長崎大熱帯医学研究所の森田公一所長(ウイルス学)によると、中国・武漢大学人民病院が2月に公開した調査結果では、武漢の新型コロナ感染者104人のうち数人が、季節性インフルエンザにも同時に感染していたことが報告されているという。日本でも「全てを把握しているわけではないが、併発した症例があった」(厚生労働省)という。

 インフルエンザウイルスは、鼻から喉頭までの上気道の細胞への感染が一般的だが、新型コロナウイルスは上気道に加え、肺の奥の細胞にまで感染して肺炎を発症させる。森田所長は「全く違う病気なので、短期間に両方のウイルスに暴露した場合、武漢での報告例のように両方を同時期に発症することはあり得る」とする。心配されるのは単独感染と比べた重症度だが「現時点では症例が少ないため明らかになっていない」(森田所長)という。

 どんなことに注意すればいいのか。そもそも新型コロナ感染症とインフルエンザの症状は、発熱やせき、喉の痛み、体のだるさなど多くが共通する。医療機関を受診した場合、インフルエンザは簡便な検査キットがあるためすぐに判明する。森田所長は「処方された薬を服用して3、4日経過しても快方に向かわない場合は、同時感染の可能性もゼロではない。かかりつけ医に、まず電話で相談するのが望ましい」と話す。

 予防はどちらも手洗いが基本だ。実際に、2020年の全国のインフルエンザ累計患者数(厚労省推計、3月29日時点)は約413万人と前年同期(約1064万人)の約4割に減少。新型コロナ感染予防で手洗いの徹底が浸透したことなども一因とみられる。

 森田所長はマスク着用も推奨。「無症候の感染者の飛沫(ひまつ)拡散を防ぐほかにも、予防の観点から、手すりやつり革などウイルスに汚染された物に触れた手で自身の鼻や口を触って感染するのを防ぐ効果もある」としている。 (吉田真紀)

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ