「感染者出たら…」厳戒下の選挙 出陣式自粛、選管は投票所対策苦慮

西日本新聞 社会面 石黒 雅史 田中 辰也

 新型コロナウイルス感染拡大で福岡県知事が不要不急の外出自粛を要請する中、同県行橋市議選(定数20)が5日、告示された。多くの陣営は出陣式を取りやめたり、規模を縮小したり、厳戒態勢で選挙戦がスタートした。

 市民の初感染を市が公表した2日、現職候補の陣営は慌てて5日の出陣式の自粛を決め、案内状を出している約3千人に電話やビラで告知した。候補者は「自分の選挙で感染者が出たらと思うと怖い」と語る。

 それでも5日、近所の支持者らが集まった。国内で手に入らず、韓国から取り寄せた消毒液を置き、席の間隔を2メートルほど空け、短くあいさつをして選挙カーに乗り込んだ。

 他陣営も多くは動員なし、来賓なし、あいさつ省略など異例の対応。事務所入り口で検温をする陣営もあった。

 同市では2人の感染を確認。密集をつくる個人演説会は中止するしかない。別の現職候補は「これまでの活動を評価してもらうしかない」。一方、新人候補の1人は「活動の場が減れば新人に厳しい選挙になる」と話す。

 市選挙管理委員会は投票日に向け、投票所の鉛筆は使い回さず1人に1本提供、入り口に消毒液を置く、記入台の間隔を空け、窓は開放などの対策を準備する。それでも市民からは「感染したら責任を取れるのか」と激しい抗議もあり、担当者は「もう、泣きたい」と嘆く。

 一方、5日告示され、現職と新人の一騎打ちとなった長崎県壱岐市長選も新型コロナウイルスの対応に追われた。

 市内では告示前から感染者が出ており、5日も新たに1人の感染を確認。両陣営は多くの人が集まる集会を自粛した。 (石黒雅史、田中辰也)

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