再開喜ぶ児童、教職員は厳戒 新学期スタートの飯塚市・椋本小

西日本新聞 筑豊版 長 美咲

 新型コロナウイルスの感染者が少ない地域などで6日、小中学校の新学期が始まった。一斉休校から1カ月余りが過ぎ、福岡県の筑豊地区でも学校再開を喜ぶ児童や生徒がいる一方で、教職員は感染防止に神経をとがらせている。飯塚市立椋本小(山本繁校長、全校児童339人)を取材した。

 「おはようございます。検温はしてきましたか」。午前8時ごろ、山本校長は校門で、多くがマスクを着けた児童を迎えた。当面の間は毎朝自宅で検温するよう保護者にメールで依頼したが、児童の返事はまちまち。「明日からは熱を測ってね」と声を掛けた。

 同25分ごろ、旧3年1組の教室に幾度(きど)康江先生が向かうと、「先生、久しぶり」と明るい声が響いた。普段なら抱きついてくる児童たちだが、この日は近寄ってくるだけ。「家庭でも感染予防の指導をされているんだろうな」

 その後、クラス替えのため、児童は多目的室に。新4年生は約50センチの間を空けて並び、新しいクラスの発表を聞いた。

 机が約1メートル離された新しい教室に移動すると、幾度先生は「窓を開けて」と児童に指示。教室のテレビで、3日に教職員が撮影した赴任式や始業式、担任発表の動画が流れた。山本校長は「コロナで長期間の休みになったが進級おめでとう」とメッセージを送った。

   ◇   ◇

 幾度先生は5年1組の担任となり、教室で自己紹介を済ませると、テレビをつけた。国が制作したコロナウイルス対策やハンカチマスクの作り方を紹介する動画が流れる。動画が終わると、換気や手洗いの徹底、ハンカチを友達から借りないようにするなどを説明し、「みんな我慢が続くけど、協力して感染予防しようね」と呼び掛けた。

 新しい教科書配布が終わった正午ごろ、児童は下校。5年の女児(10)は「友達と近づかないように気をつけたけど、やってみると難しかった」。同級生の男児(10)は、「久しぶりの学校は楽しかったけど、ずっと換気をしていて寒かった。明日はもっと温かい服を着てこようかな」と話した。

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 午後2時。6年担任の柴山淳先生は、ゴム手袋とキッチンペーパーを持って教室に向かった。感染対策として、今日から各教室を消毒する。机や椅子はアルコールで除菌。アルコールが足りないため、ドアノブやスイッチなどは次亜塩素酸ナトリウムで消毒後、10分放置して水拭きをした。作業にかかったのは20~30分。「毎日やるのは結構大変。これで感染を防げるなら良いけど」と汗を拭った。

 柴山先生はその後、家庭訪問へ。クラスに学校再開を不安がり、欠席した児童がいた。児童とは玄関先で会って、担任になったことや新学級のメンバーを話し、新しい教科書を手渡した。「保護者が不安に思うのは分かる。しばらくは家庭訪問を続け、連絡を取り合っていくつもりです」

 再開初日を終え、山本校長は「再開がうれしい保護者もいれば、心配な人もいると思う。緊急事態宣言が出るという話もあるし、今後も予定通りに進まないだろうけど、子どもの安全安心を第一に対策を続けるしかない」。職員室には、10日予定の入学式に向けて準備する先生の姿があった。

(長美咲)

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