福岡県、正念場の「緊急事態」 「短期間で防げ」「商売できぬ」

 新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の対象地域に福岡県が含まれる見通しとなった6日、宣言を感染拡大の歯止めとして期待する声や、今後への不安が各地で聞かれた。地域経済への打撃は避けられないが、既に外出自粛は広がりつつあり、冷静な対応で市民生活が被る影響は抑えられる。情報収集を進める流通業界や交通機関は「落ち着いて行動してほしい」と呼び掛けている。

 対象地域の知事は不要不急の外出自粛の要請など、さまざまな対策を取ることが可能になる。福岡市南区の会社員田丸貴久さん(55)は「国や県がリーダーシップを発揮し、生活に不可欠でない施設の使用制限などを徹底すべきだ」と強調した。勤め先のホテルでは、通常は8割程度の客室の利用率が15%まで激減。「終息が見えない」と焦りを募らせていたという。

 IT会社に勤める同市西区の男性(51)も「現状が長引き経済が停滞することが怖い。短期集中型でまん延を防ぐべきだ」と、政府や県の判断に理解を示した。

 一方、地域経済が受けるダメージの深刻さを懸念する声も根強い。飯塚市中心部の本町商店街で履物店を営む縄田真照さん(54)は「宣言が出れば、商売できないのと一緒」。普段の半分に人通りが落ち込む中で「さらに買い物客が減る」と顔を曇らせる。ただでさえ経営が苦しい地方の商店街にとっては死活問題だ。

 北九州市八幡東区の学習塾「グランディール」は、大型連休明けまで小学生の授業を休むことを決めたばかり。受験を控えた中高生には個別に対応する方針だが、緊急事態宣言の内容によっては全面的な休講も検討する。担当者は「塾の利益よりも命が優先。インターネットを介したサービスを考えたい」と話した。

 「何がどう変わるのかよく分からない」。中1の長女と小4の長男を育てる久留米市のパートの女性(41)は疲れた表情。勤め先の勤務時間が絞られて収入は減り、昼食の準備などの負担も軽くない。「既に外出は自粛しており、親子ともにストレスがたまっている。この状況はいつまで続くのか」

(御厨尚陽、山下航、田中早紀、平峰麻由)

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