「工場止められない」悩める現場業務 在宅勤務が難しい業種も

西日本新聞 社会面 仲山 美葵

 緊急事態宣言の発令を受け、対象地域となった福岡県に拠点を置く企業は、テレワークや夜間の繁華街への外出自粛を強化するなど感染拡大防止策の徹底を急ぐ。一方、現場業務が不可欠な企業もあり、対応に苦慮する。

 ある大手生命保険会社は8日から、福岡県内の営業拠点を原則閉鎖し、対面での営業活動を当面自粛。出社は最小限にとどめ、電話やメールなど「非接触での営業活動」で対応するという。

 交通調査や道路設計を手掛けるFCホールディングス(福岡市)は7日、対策本部を設置。在宅勤務や時差出勤の徹底をグループ会社に通知した。取引先との打ち合わせはテレビ会議を極力活用する。立石亮祐取締役は「効率が落ちる面はあるが、感染拡大防止が最優先」と話す。

 九電工(同市)は社員の「密集」や「密接」を避けるためとして、会議室などを使ってオフィスを分散化。現場の作業者は、7日から出勤日や出勤時間をずらすようにした。夜間の接客を伴う飲食店への出入りを禁止する企業も出ている。

 「現場無しには成り立たない仕事で在宅勤務は難しい」。上村建設(同市)の幹部は話す。建設現場では作業員同士が極力2メートル以上離れるなどの対策を取る。即席麺のマルタイ(同市)は8日から、工場勤務の社員と、同じ敷地内にある本社勤務の社員らの動線を完全に分ける。増産が続いており「工場を止めるわけにはいかない」と担当者は緊張感をにじませる。

 企業活動にも影響が出ている。プレナス(同市)、ミスターマックス・ホールディングス(同市)、久光製薬(佐賀県鳥栖市)など、今週決算発表を予定する企業は相次いで記者会見の中止を決めた。

 来春入社の採用シーズンだが、会社説明会や面接を行えない企業も。複数の地場企業の担当者が「採用日程の見直しを検討している」と明かした。

 エネルギーや金融は事業継続の要請を受ける。九州電力(福岡市)は、玄海原発(佐賀県玄海町)や川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の中央制御室などで感染者が発生した場合の交代要員を準備しているという。

 福岡銀行(福岡市)と西日本シティ銀行(同市)は、店舗の営業は通常通り続ける一方、顧客の要望がある場合を除いて訪問営業などは控える。

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