医療崩壊阻止へ連携強化 佐賀県と医師ら、病床や資機材確保へ

西日本新聞 佐賀版 梅本 邦明

 新型コロナウイルスの感染者が佐賀県内でも連日のように確認される中、県と医療関係者は感染者の爆発的増加による医療崩壊を防ぐためチームをつくり、入院ベッドの確保などの準備を進めている。県内では感染経路をおおむね把握でき、患者の急増にはつながっていないが、福岡県などに緊急事態宣言が出され、地方への一時的避難者の増加を警戒。医療現場ではコロナ禍による人材不足や一般業務への圧迫を懸念する声が聞かれた。

■外から種まかれ

 県内では3月末から感染確認が相次ぎ、2桁に達した。ただ、いずれも県外や外国の流行地域からの持ち込みが発端とみられ、佐賀大医学部の青木洋介教授(感染症学)は「外から佐賀に種がまかれた状態で、芽を出す前に摘み取っている。県内で発生したという見方をする必要はない」と指摘した。

 感染対策を何もしなければ、県内のピーク時の入院患者数は約1500人と推計される。

 県は6日、県内の感染症指定医療機関の医師らで構成する医療提供体制強化本部を設置。4チームに分かれ、重症者と軽症者の振り分けや人工呼吸器などの調達の調整を担う。病床は現在の24床から50床まで増やし、最終的に100床の確保を目指す。

■人材不足を懸念

 県や医療関係者によると、県内には人工呼吸器が少なくとも約100台、人工心肺装置「ECMO(エクモ)」は約10台ある。

 新型コロナの全患者のうち重症化は1割未満で、機材は当面足りるとみられる。ただ、県医師会の貝原良太常任理事は「病床や機材をいくら増やしても、医療従事者は限られる。機材の数だけでは医療の充実は測れない」と強調する。

 患者1人にエクモを使用した場合、医師や看護師計7~10人が必要になる。新型コロナの重症者が増えれば、スタッフはかかりきりになり、他の通常業務に支障が出る恐れがある。

 感染を調べるPCR検査は県内で1日最大約40件可能だが、ある医療関係者は「感染が拡大して24時間寝ずに検査し続けるのは無理」と悲鳴を上げる。

■懸念は人の流入

 安倍晋三首相は7都府県を対象に、緊急事態宣言を出した。懸念されるのが、都市部から感染が比較的抑えられている地方に人が流れる動きだ。

 貝原理事は「個人的な見解だが、県内の患者が200人前後になると医療現場は限界値を超えるかもしれない」と指摘。「これまでの感染は県外から持ち込まれる事例が多い。帰省者は症状がなくても自宅にできる限りとどまってほしい」と呼び掛けた。

 青木教授は医療崩壊を避けるため感染者を急増させないことが大切だと強調。「自宅から離れるほど不特定多数の人と接する機会が増え、感染リスクは上がる。不要不急の外出は控えて」と話した。

 (梅本邦明)

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