「よくできたなぁ」久住の麓に桜の園 住民とともに14年、山開き植樹

西日本新聞 社会面 稲田 二郎

 大分県竹田市直入町に、元会社社長安部博進(ひろのぶ)さん(78)=大分市佐賀関=が地元住民と整備している公園がある。「長湯温泉しだれ桜パーク」。14年かけて山を開いて土地をならし、6種類の桜約2600本を植樹した。正式オープンの来春を待ちきれないように今春、桜は咲き誇っている。

 メディア関係の企業の社長を務めた安部さんは、旅行で訪れた京都のしだれ桜やモミジに魅せられ、ずっと自分でしだれ桜の公園を造りたいと思っていたという。竹田市を訪れた際に「くじゅう連山の麓にある長湯温泉こそ桜が映える」と感じ、2006年に地元住民数人に声を掛けて準備を始め、4年後「しだれの里を創る会」を設立。山の斜面の民有地約10ヘクタールを借り、会員25人が手弁当で整備に乗り出した。

 中心となったのは山関係の仕事をしていた安藤光雄さん(90)。年300日以上、現地に入り、雑木を伐採し、重機で根を掘り起こし、堆肥をまいて土地を整備した。安部さんも自宅から約1時間半かけて、現地に入る生活を続けた。

 桜は、専門家のアドバイスを受けて品種を選定。開花時期の異なる6種を植えており、3月中旬からは大漁桜、3月下旬からはしだれ桜など、4月上旬からはボタンザクラが見ごろとなり、約1カ月半、桜が楽しめるようにした。初めに植えた大漁桜の苗木は太い幹となってどっしりと根付き、高さ5メートルまで成長。ソメイヨシノはてんぐ巣病にかかりやすいため、植樹は見送った。

 苗木の購入費用は、安部さんが大分県や企業を回り、同県の森林環境税や宝くじの助成金などを活用した。安部さんは「14年間、過ぎればあっという間。毎日、ここに来るのが楽しみで仕方ない」と笑う。安藤さんは「安部さんの勢いに乗せられ、成功するかもしれないと思って取り組んできた。それにしてもよくできたなぁ」と目を細めた。

 同会は今後、モミジの植樹やトイレを整備する。地域の子どもたちは公園を「地元の誇り」と自慢しており、100年、200年受け継がれる公園を目指していく。 (稲田二郎)

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