「コロナ疎開」で医療崩壊の恐れ 沖縄知事が来県自粛呼び掛け

西日本新聞 社会面 高田 佳典

 政府の緊急事態宣言を受け、沖縄県の玉城デニー知事は8日に記者会見し、宣言期間中の来月6日まで全国からの来県を控えるよう呼び掛けた。観光が主要産業の沖縄にとって経済的ダメージは大きいが、感染流行地から「コロナ疎開」が加速すれば脆弱(ぜいじゃく)な医療体制が崩壊する恐れがあり、異例の要請に踏み切った。

 3月中旬まで沖縄の感染者は3人で、感染が抑えられている地域とされてきた。会員制交流サイト(SNS)で「沖縄は安全」という情報が広がったこともあり多くの観光客が訪れた。

 この時期を境に感染者数は急増し、8日現在で計39人にまで膨れ上がった。県外からの移入例だけでなく感染経路が追えないケースも増えており、県内の危機感は高まっている。

 離島を抱える沖縄の医療体制はもろい。県は医療体制の整備を急ぐが、沖縄本島以外でPCR検査はできず、離島で感染症病床があるのは石垣と宮古島の2市だけ。県全体の病床数は約40床で、9日にも感染者数が上回る可能性がある。

 県は観光客減少による今年2~5月の経済損失を1867億円と試算していたが、「来県自粛要請で損失額が大きくなるのは必至」(県担当者)だ。玉城知事は「経済に及ぼす影響は決して小さくないが、県民の命と健康を守ることが最優先である、との思いでお願いする」と理解を求めた。 (那覇駐在・高田佳典)

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