武漢2ヵ月半ぶり封鎖解除 往来再開で感染再拡大に懸念も

西日本新聞 国際面 川原田 健雄

 【北京・川原田健雄】中国当局は8日、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した湖北省武漢市で、事実上の都市封鎖を約2カ月半ぶりに解除した。市民からは歓迎の声が上がったが、中国国内では無症状感染者の報告が相次いでおり、再び感染が広がらないか懸念も出ている。

 国営メディアによると、8日午前0時に高速道路の料金所の封鎖が解除された。同日朝には高速鉄道の始発列車が出発。国内航空便も再開した。当局は8日に5万5千人が鉄道で武漢を離れたと推計した。

 中国当局は1月23日、武漢市内の交通機関を停止し、高速道路を封鎖。武漢を出発する飛行機や列車も利用できなくした。3月下旬に新規感染者が減少したため、市内の地下鉄やバスは順次再開していた。

 封鎖解除を受け、武漢市に住む30代男性は「こんなにうれしいことはない。自宅に閉じこもって、うつ状態だった母親にも明るさが戻った」と電話取材に声を弾ませた。市外にあるパソコン販売会社へ出社できるようになったが、経済活動の停滞で法人向けの売り上げが急減。当面は在宅勤務を続ける予定だ。「給料は封鎖前から半減した。経済も早く元通りになってほしい」と訴えた。

 一方、中国当局は無症状感染者からの再流行を警戒。武漢市では居住区ごとの外出制限を継続する方針だ。市外に出られるのは、移動履歴などで個人の感染リスクを判定する健康証明アプリで最も安全な「緑」と判定された人に限られる。

 武漢市内の30代女性は「緑」と判定されたが、感染した母は回復した今も、最も厳しい「赤」で、団地の外にすら出られないという。「誰にも迷惑はかけられない。政府の言う通りにするしかない」とこぼす。

 市外に出れば武漢市民に対する差別も懸念される。女性は「私も市外の人間なら怖がって冷たい対応をしたかもしれない。気持ちは理解できる。当面、武漢市や湖北省の外には出ない」と話した。

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