♪酒は涙か溜息(ためいき)か こころのうさの すてどころ…

西日本新聞 オピニオン面

 ♪酒は涙か溜息(ためいき)か こころのうさの すてどころ。藤山一郎さんの歌でヒットした昭和の名曲。年配の方には懐かしいだろう。作曲は福岡県出身の古賀政男。作詞の高橋掬(きく)太郎は今日が没後50年だ

▼発売された1931年は世界恐慌のさなか。国内も倒産が相次ぎ、失業者があふれた。学校に弁当を持って行けない「欠食児童」という言葉も。そんな時代の「こころのうさ」を庶民は酒に流したか

▼そして今、新型コロナの影響で世界経済は低迷、深刻な不況の危機に直面している。福岡県も緊急事態が宣言され、施設や店舗が軒並み休業。特に夜の外出は控えて、との要請で九州最大の歓楽街・中洲にも閑古鳥が鳴く

▼高橋に「博多夜船」という作品もある。♪逢(あ)いに来たかよ(略)博多通いの アレサ夜船の 灯が見える。灯が消えたような盛り場で来ない客を待つバーやクラブの関係者には、まさに「酒は涙か溜息か」

▼昭和の恐慌は高橋是清蔵相の大胆な経済政策で沈静に向かった。コロナとの闘いも、指揮を執る首相や知事らの力量が問われている

▼今日は井上ひさしさんの没後10年でもある。代表作「ひょっこりひょうたん島」の大統領ドン・ガバチョは、困難なときも未来を信じ、決して諦めない。♪今日がダメなら明日にしまちょ。明日がダメなら…どこまで行っても明日がある-と歌う。国民に明日への希望を与えるリーダーシップを、今こそ。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ