感染源不明の比率なぜ食い違い? 政府「72%」福岡県「44%」 

西日本新聞 社会面 一瀬 圭司 豊福 幸子 前田 倫之

 福岡県内の新型コロナウイルス感染者数に占める感染源が追えない人の比率を巡り、政府と県の公表データが食い違っている。政府の諮問委員会は7日に「6日時点で全国最高の72%」と公表し県を緊急事態宣言の対象としたが、県の調査では「6日時点で44%」にとどまるという。県は原因を「分からない」とし、政府側はデータの正当性を主張しつつも詳細を説明していない。専門家からは、分かりやすい情報提供を求める声が上がっている。

 発端は7日夜、緊急事態を宣言した安倍晋三首相の記者会見。同席した尾身茂諮問委員会会長が、県を宣言の対象とした理由の一つに、感染経路が分からない「孤発例」の比率の高さを挙げ、「全国最高の72%」と言明した。

 しかし、県の調査では、6日までの感染者累計162人のうち感染源が不明の人は72人で、全体の44%にとどまる。政府側の数値との開きについて、県幹部は「どういう算出方法をしたのか知りたい」と、戸惑いを隠さない。

 食い違いについて、菅義偉官房長官は9日の会見で「尾身会長の説明は、宣言を発出する際の直近のデータに基づいた割合。県のデータは、その後に報告された病院感染も含めたデータに基づく」と述べた。ただ、県側は「6日、7日とも4割の割合で推移している」としており、理由は判然としない。

 情報発信に詳しい広瀬弘忠東京女子大名誉教授(災害リスク学)は「国は感染源不明者の認定についてより厳密な基準を設け、都道府県や国民と共有すべきだ」とした上で「説明を尽くさなければ、意図的にデータを操作して危機感をあおったととらえる人も出てしまう。感染拡大の危機にあるからこそ、正確なデータの公表が求められる」と指摘する。(一瀬圭司、豊福幸子、前田倫之)

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