国会議員地元入り苦悩 自民党は「控えて」地方の実情「反映せねば」

西日本新聞 総合面 下村 ゆかり

 新型コロナウイルス特措法に基づく政府の緊急事態宣言を受け、自民党の二階俊博幹事長は9日、党所属の国会議員に対し、地元選挙区に戻っての政治活動を控えるよう通知を出した。「人と人の接触を最大8割減らす」との政府要請に呼応するものだが、全国に感染が広がる中、議員には地域ごとの切実な声を国政に届ける使命があり、地方選挙も控える。ジレンマは深い。

 議員は通常、平日は国会で活動し、週末には地元選挙区に帰る。だが、政府が国民に向け、東京都などから地方への移動自粛を求めていることから、二階氏は「(議員が)選挙区に入れば、選挙区民からも誤解を受けかねない」と通知。代わりに、インターネットやスマートフォンを活用して地元とコミュニケーションを取るよう呼び掛けた。世耕弘成参院幹事長も「国民の模範となる必要がある」と足並みをそろえた。

 現実には、通知をそのまま守るのは難しそうだ。「幅広い業種の事業主や個人から、『直接話を聞いてほしい』との電話やメールがひっきりなしに来る。応じないわけにはいかない」。緊急事態宣言の対象地域である衆院福岡2区選出の鬼木誠議員はこう話し、今週末も地元に帰るという。「もちろん密閉、密集、密接の『3密』は避けるが、地方の実情をくみ取り国政に反映させなければ」と訴える。

 自民党鹿児島県連会長として、鹿児島市議選の告示を12日に控える森山裕国対委員長も9日、記者団に「今週末は鹿児島県関係の国会議員8人のうち、私を含む2人だけが地元に帰り、残りは東京にとどまることを決めた」と説明。来週以降は帰郷を控える意向も示した。 (下村ゆかり)

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