飲食店が生き残りへ懸命 運転代行と連携、宅配に活路

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で、客数が激減したり店内営業を見合わせたりしている北九州市などの飲食店が、持ち帰り用の弁当などの販売に活路を見いだしている。中には同じビルで営業する飲食店同士が共同で弁当を作り販売するところも。同じように利用者が減っている運転代行業者とタッグを組んだ宅配も始まる。

 10日昼、小倉北区魚町でも「臨時休業」の張り紙がある飲食店が目立った。

 「ぢどり家古夢(こむ)」とダイニングバー「ロープグラウンド」は同じビル内の“同業他店”。おかずの調理を分担し合い、共同で日替わり弁当(月曜日~金曜日、税込み500円)を手掛け、この日は配達を含め約100個を売り切った。

 ロープグラウンドの代表加賀江祐一さん(39)によると、最近は従来の2割程度まで客足が落ちた。「落ち込んでも仕方がない。見ても楽しい、彩りのある弁当を提供する」と話した。

 JR遠賀川駅(遠賀町)前の中華料理店「中華バル武遊」は、地元の運転代行業者に宅配を任すサービスを近く始める。宅配は1回500円で、エリアは遠賀郡内。店主の田中武士さん(47)は「ピンチはチャンス。休業も考えたが、町の入り口にある店の明かりを消したくなかった」と意気込む。コロナの終息後も宅配は継続していく考えだ。

 中間市の手作りミートパイの飲食店「みーとぱいはうす」は、店を移転して1日にオープン予定だったが、客数を絞りながら持ち帰りのみで営業を始めた。

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 利用者への周知にも力を入れる。小倉北区馬借の居酒屋「岩倉健太」は10日、料理の持ち帰りの提供を開始。前夜、手書きのメニュー約500枚を印刷し、近所のポストに入れ込んだ。

 約30品に上るメニューの多くは持ち帰り用のオリジナル料理という。「電子レンジで温めて、そのまま食べられる手軽さを重視した」と店長の岩倉健太さん(30)。妻の翔さん(30)と一緒に「今しかできないことだから、楽しんでやっている」と笑顔を見せた。

 近くの鉄板焼き店「てるてる」では、会員制交流サイト(SNS)のLINE(ライン)の顧客登録情報(約670人)などを使い、持ち帰りメニューの写真や割引クーポンを発信している。

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 消費者と飲食店を結びつけるのが、宅配サービス「ウーバーイーツ」。利用者は専用アプリで登録する飲食店から料理を注文し、配達員が届ける。小倉北区などで9日に始まった。

 小倉北区馬借のカフェ「ザ・カリフキッチン」は19日まで店舗営業を自粛する。ハンバーグ料理などの提供のみ始めるのに合わせ、このサービスに登録。森田美佳店長(39)は「終息が見えないからこそ、活路は宅配です」と力を込めた。 (菊地俊哉、山下航、米村勇飛、野間あり葉)

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