住民間の交流支援停滞 態勢縮小、コロナが拍車 熊本地震4年

西日本新聞 社会面 壇 知里 和田 剛

 熊本地震から4年。災害公営住宅の整備が3月末で完了するなど住まいの再建が進む中、仮設住宅を退去した被災者への支援が課題になっている。仮設入居者の見守りを担ってきた各自治体の「地域支え合いセンター」が閉鎖・縮小される一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で住民同士の交流もままならない。現場は「高齢者が孤立しかねない」と苦悩する。

 「今年は受験の年かな。休みの間、勉強は大丈夫だった?」

 10日、熊本県益城町の木山仮設団地。支え合いセンター相談員の佐藤忍さん(44)は、入居者の中学生に距離を取って話しかけた。

 約150人の住民全員と顔見知りという佐藤さん。感染拡大に伴い、住民との接近を避け、集会所の利用を控えるようになった。同団地では今月、約50世帯が退去の予定で、引っ越し準備のまっただ中。「感染防止が第一」という状況では、別れを惜しむ時間もあまりないという。

 県内18市町村が設置した地域支え合いセンターは、災害公営住宅の完成で仮設からの退去が進み、八代市など4市町が3月末で閉鎖。熊本市など14市町村は縮小・継続し、仮設退去後の支援にシフトしつつある。

 益城町のセンターに勤めていた坂本貴子さんは「仮設というまとまった空間を出ると、これまでのような手厚い支援は難しくなる」と話す。そこへ、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。災害公営住宅の入居前に実施する顔合わせ会や入居後の交流会は軒並み中止に。感染者が相次ぐ熊本市などでは戸別訪問による見守り活動も見合わせ、電話での相談などにとどまっているという。

 県地域支え合いセンター支援事務所の池尻憲二主事は「特に高齢者は孤立しやすい状況になった」と懸念する。市町村の各センターからは、見守り活動をどうやって続けるのか、相談が相次いでいるという。

 県が東日本大震災の被災自治体職員を招いた勉強会では「地域になじみ、『被災者』から抜け出すのに3年かかる」との報告もあった。池尻さんは「相談員と話すのを楽しみにしているお年寄りも多い。直接対面しない支援策はないか、対応を模索している」と話した。 (壇知里、和田剛)

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