『監獄の近代』 赤司友徳 著 (九州大学出版会・6600円)

西日本新聞 くらし面

 日本で本格的な「監獄」の近代化は明治半ばから始まった。具体的には監獄費の負担を府県が担うようになった明治14年から、再び国庫支弁化されるまでの約20年間で、「その後の監獄運営や刑事政策の土台作り」がなされた-と、本書は指摘する。特に「監獄の制度や監獄当局の行刑方針、監獄運営」に大きな影響を与えたものとして宗教者の存在を挙げ、教誨(きょうかい)制度の分析に大きなページを割いている。

 そのほか、北海道開拓や福岡県・三池の炭鉱労働など「外役」が次第に制限され、構内作業を中心とする「内役」に転換される様子や、監獄費地方税支弁の時期に行われた巣鴨監獄(後の巣鴨プリズン)建築をめぐる政治史など興味深い題材に事欠かない。著者は九州大医学歴史館学芸員。

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