だいぶ“前川清節”は減らした シンガー・ソングライターの紘毅さん

西日本新聞 根井 輝雄

 KBCなどで毎週日曜日に放送しているテレビ番組「前川清の笑顔まんてんタビ好キ」。九州各地を旅する前川さんが地元の方々とふれ合う人気番組で、放送開始から9年目に入りました。4月からの新しいオープニング曲は「歩いて行こう」。前川さんの長男でシンガー・ソングライターの紘毅さんが作詞・作曲を手掛け、前川さんが歌うポップな曲です。福岡を訪れた紘毅さんに、新曲への思いを尋ねました。

 -新曲「歩いて行こう」に込めた思いは。

 ★紘毅 最初に1曲作ったんですが、(新型コロナウイルスの影響でイベント自粛が相次ぐ)こんな時期だから、もう少し明るくしようと、曲を丸々なくして新たに書きました。僕らはやっぱり、ちょっとは笑える時間を提供するのが仕事かな、と思います。皆で歌える曲というイメージで書きました。ちょうど、おやじや僕、えとう窓口さん(「タビ好キ」出演)、妹の前川侑那と回っているファミリーコンサートも延期になっていますが、いつかまた皆さんと一緒に集まったとき“頑張ったね”って一緒に歌える曲にしたいですね。

 -前川清さんの歌い方は、従来に比べしっとりした感じです。

 ★紘毅 だいぶ“前川清節”は減らしてもらいました。レコーディングの時、すっと歌ってくれたんです。息子だからわがまま言えた曲ですかね。普通は前川清に「こう歌って」って言いづらいでしょうけど。でも、本人も「今までと違う曲にしたい。オープニングに合う曲を考えてくれれば歌うよ」と言っていました。その意味でも、僕がイメージした通りですね。

 -まさに旅の歌ですね。

 ★紘毅 歌詞に「旅って人生のようだね」とあります。本当は、最後のサビだけ「人生は旅のようだね」って入れ替えたかったのですけど、おやじから「70歳を超えて細かい変更は覚えられない」って。そこだけ唯一、強行突破できなかったですね。

 -紘毅さんも「タビ好キ」に時々出演しています。

 ★紘毅 こういう番組は、なかなか東京ではできないんですよ。突然インターホンを押しても、住民の方に迎え入れてもらい、話をしてくれます。前川清の知名度で成り立つかもしれませんけど。東京は、隣の人と会話がない、だれが住んでいるのか分からない。僕が東京から来ても迎えてくれるのは、九州の良さだと思いますね。出演は毎回楽しみです。

 -お父さんは長崎県出身。九州には縁がありますね。

 ★紘毅 祖父母が北九州にいて、子どもの頃から遊びに来てて、人の温かさをずっと感じていました。家族で海外旅行に行くときも、僕は飛行機が苦手なので、一人だけ北九州にいて、1カ月くらい釣りをしていました。

 -音楽の道を志したのは。

 ★紘毅 子どもの頃から、あまり音楽は勧められなかった。「やめた方がいいぞ」って言われ続けて。でも反発しますよね。おやじにダメって言われれば言われるほど、やりたくなる。音大に行き、4年間で音楽の仕事を自分で見つけられたら、おやじの手も借りていないので文句の言いようがないだろう、って勉強しました。学校の先生になりたかったけど、たまたまオーディションを受けてこの世界に入りました。

 で、数年たち、あまりうまくいかなかったときに相談したら、急に協力してくれるようになり、「タビ好キ」にも出してもらっています。

 -作詞・作曲で心掛けていることは。

 ★紘毅 子どもが聴ける曲、というのが頭の中にあります。カラオケの履歴を見ても、最新の曲より昔のヒットソングの方が歌われている。だから子どもの頃に聴く曲は大切で、子どもが口ずさめる曲を歌っていきたいです。おやじが歌う重たい別れ歌は、あまり歌わなかったですね(笑)。

 -ライブがなかなか開けない状況ですが、今後は。

 ★紘毅 僕ら自身もあまり出歩けないんですが、家でずっと過ごすと気持ちが暗くなりますよね。そのとき一瞬でもいいからホッとできる時間をつくれるようにしたい。今、配信ライブをやっていますが、おやじも急に配信したいと言い出した。昭和の親父なのか、仕事していないとダメなんで、一緒にやろうという話になっています。「台本も全部決めていい」って言うんで、息子だからできる前川清の姿を見せられると思います。やはり皆さんにわくわくしてもらいたいですね。

 (文・根井輝雄、写真・古瀬哲裕)

 ▼ひろき 1985年11月9日生まれ、東京都出身。ピアノやギターを独習し、音大で専門的に学ぶ。2006年にシングル「カエデ」でシンガー・ソングライターとしてデビュー。TVアニメ「妖怪ウォッチ!」のオープニング曲を歌った。ラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍。

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