「寝たら死んじゃうかも」20代母親のSOS…PCR検査は陰性でも“疑い”

西日本新聞 熊本版 古川 努

長引く高熱、倦怠感…娘も発熱

 熊本県内で幼い娘2人と暮らすネイリストの20代女性は、ツイッターに新型コロナウイルスへの恐怖と苦悩を書き込んだ。「寝たら、死んじゃうんじゃないか」。長引く高熱、倦怠(けんたい)感、喉の痛み。長女も発熱した。発症約1週間後の検査では「陰性」だったが、「疑い」は残り、体調不良は続く。自宅待機の終わりはまだ見えない。

 3月31日午後9時46分。女性はツイッターでつぶやいた。「ひとり親がもしもコロナ陽性になったら、子どもはどうなるの?」。何度測っても体温は38度台。眠れずに日付が変わった4月1日午前3時16分には「仕事していいのか、子どもを保育園に出していいのか」。体調の悪化とともに生活への不安が膨らむ。

 この日午前中、かかりつけ医を受診。車に乗ったまま防護服姿の医師からインフルエンザの検査を受けた。結果は陰性。医院側は「子どもは保育園に行かせてもいいし、行かせなくてもいい。買い物も自己判断」。結局、保育園から登園を断られ、仕事の再開は当面無理だと悟った。

 翌日受診した別の医療機関では「血液検査で炎症反応がある」と外出や仕事、登園を控えるよう指示された。だが、新型コロナの検査は「対象外」だという。感染者との濃厚接触がないためだ。「防護服で車ごと隔離したくせに抗生物質と解熱剤渡してバイバイ。ここホントに日本?泣」

 2日に長女も発熱。3日夜は「頭が割れそうって泣きながら寝込んだ」という。4日未明、娘を受け入れてくれる医療機関が見つからない。自身の症状も改善せず、「救急車、何回も頭よぎる」(4日深夜)。「同じ部屋にいていいんだろうか。世話ができないのがくやしい」(5日未明)。

 5日は倦怠感があり、食欲ゼロ。喉は「筋肉痛のよう」に鈍く痛み、全身に力が入らない。長女も喉の痛み、鼻水が止まらない。疑問、不安、焦り、いら立ち、後悔。体は悲鳴を上げ、心はかき乱される。

 「仕事と子どもの送迎、近所のスーパー以外行ってません。なのにこんなひどい症状。公園にも行けず退屈だからって子連れでママ会したのを死ぬほど後悔した。実家に近寄ったのも」。

 6日はさらに症状が悪化。午前2~4時台に「もー無理」「耳鳴り。手の軽いしびれ」「息止まってないけどなんかやばい」。

 意識がもうろうとする中、書き込んだ言葉は「きゆうきしょ(救急車)よんだ」。だが、消防から感染症対応の救急車の準備に時間がかかると告げられ、「きてくれないむりらしい」。

 夜明け前、自分で車を運転して病院に到着し、ようやくPCR検査を受けた。

 結果は「陰性」だった。

   ◆    ◆

 女性は6日、ツイッターを介した西日本新聞の取材に「一番怖かったコロナじゃなくて本当に良かったです。ホッとしてボロボロ涙が出ました」と喜び、「みるみる体調が崩れて薬が効かなくて、しんどさが異常」と振り返った。

 ただ、病名は11日現在も不明だ。検査ではインフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、溶連菌はすべて陰性。長女はアデノウイルスも陰性だった。

 病院からは「(PCR検査は)感度がなんとも言えない上、症状が続いているのでまだ疑わしい。でも、陽性だとしても肺炎にはなってないから命の危険にはつながらない」と説明された。さらに、こうも求められたという。「軽快して2週間は自宅待機を」

 熱は36度台で落ち着いたが、せきと軽い息苦しさは続いている。「2週間」のカウントダウンを始めていいのか-。女性は判断できずにいる。(古川努)

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