「どんなに工夫しても…」教室の3密、対策に限界も 現場の苦悩

西日本新聞 くらし面

 新型コロナウイルスの感染防止対策で一斉休校していた全国の小中高校が6日以降、続々と新学期をスタートさせている。国内では都市部を中心に感染が収まらず、今後も予測不能な中での学校再開。文部科学省は再開に際して留意点の大枠を示すが、再休校の判断など対応の多くを委ねられた教育現場は難しいかじ取りを迫られている。

 「今は教室内で大声を出さない方が良い、となっていますので普通の声であいさつをしましょう」。始業式を各教室で迎えた子どもたちは、校内放送で流れる教師の呼び掛けに少しくぐもった声で応じた。

 6日、佐賀県伊万里市の伊万里小。マスク姿の子どもたちは家庭で検温して登校、結果を記入した健康観察カードを学校に提出した。長谷川晃三郎校長は「子どもたちの心身安定のためにも始業式があって良かった」とまずは安堵(あんど)した。

 3月下旬に学校再開の指針を示した文科省は、毎朝の検温、マスクの全員着用を原則とし、ドアノブや手すりなどの小まめな消毒を学校に要請。特に(1)換気の悪い密閉空間(2)多くの人が密集(3)近距離での会話や発声(密接)-の3条件が重なることを徹底して回避するよう求めた。

 伊万里小では教室の机の間隔を空け、授業でのグループ討論は行わない。音楽では当面、歌う時間を減らし、鑑賞を中心とする。体育館で行う体育のマット運動や跳び箱も先送りし、1学期は運動場で接触の少ない授業を優先するという。長谷川校長は「学校再開のメリットデメリットはあるが、今後もどうなるか分からない」と、できる範囲での対応を強調した。 それでも、同じ6日に始業式のあった同県唐津市の小学校の女性教諭(26)は「3密(密閉、密集、密接)を避けたいが、児童はくっついて遊ぶことも多く悩ましい」と困惑顔だった。

 「3密」対策の必要性は浸透するが実際のハードルは高い。給食の時間、飛沫(ひまつ)が飛ばないよう机を向かい合わせにせず、会話を控えるようにしても配膳などの段階で接触はある。40人近い学級であれば確保できる机の間隔はわずかだ。

 休校が続く福岡市の中学校に勤務する40代の女性教諭は「どんなに工夫しても問題は残る。今、学校が再開されずにむしろほっとしている」と打ち明けた。

 文科省も指針の中で「多くの学校においては人の密度を下げることには限界がある」とし、学校教育活動上、近距離での会話や発声が必要な場面も生じることを認める

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