書店は休業…読書生活、送料無料で守る 福岡の出版社「心を和らげて」

西日本新聞 社会面 藤原 賢吾

 新型コロナウイルス感染拡大で大型書店にも休業の波が広がる中、福岡市の出版社「書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)」が刊行本の直接注文分の送料無料化を始めた。送料無料は通販サイトやネット書店で既に普及しているが、文化の礎となる本に触れる機会を守ろうと、版元が異例の対応に踏み切った。

 侃侃房は小説や韓国文学の翻訳本、詩集、歌集など文芸書を中心に年間約50点を刊行。編集・営業担当の藤枝大さん(30)によると、東京や大阪など大都市の書店を中心に街の書店での売り上げが7~8割を占めるという。7日の緊急事態宣言以降、出版社の拠点がある福岡でも紀伊国屋書店福岡本店や丸善博多店など大型書店が相次いで休業。全国各地で休業、時短営業が増える中、同社は危機感を抱き、通常200円程度かかる送料を会社が負担し、5月末まで無料にした。地元福岡市では県立図書館や市総合図書館が閉館中で読書の機会が減っており、藤枝さんは「家にいる人たちに読書で心を和らげてもらえれば」と語る。

 文学や哲学、宗教書などを刊行する京都市の老舗出版社「人文書院」も来月6日までの予定で通常440円の送料を無料化。営業担当者は「少部数発行でネット書店の在庫も多くない。本音は書店で買っていただきたいが、開いている書店を探し回らなくて済むようにした」と話している。

 両社とも注文はホームページや電話で受け付けている。 (藤原賢吾)

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