三夏熟成の深い味わい 福岡・久留米田主丸の天然醸造しょうゆ

西日本新聞 夕刊 佐藤 弘

 清らかな水に恵まれ、醸造の適地として知られる福岡県久留米市田主丸。若竹醤油(しょうゆ)は明治時代、当地で創業320年余の歴史を持つ若竹屋酒造場から分家し、しょうゆ造りを始めた。

 社員が5人の会社だが、仕込みは大豆、小麦の原料処理から一貫して行う、昔ながらのしょうゆ造りを110年続ける。

 仕込みは毎年5月。タンクに収めた後は、自然な状態で夏を3度越したもろみを丁寧に搾る。

 「お客さんの要望に合わせて約30種類のしょうゆをこしらえるのですが、ベースとなるのは、すべて『三夏熟成』のもろみなんです」と、6代目の林田武大(たけお)さん(31)。

 販売方法も昔風。約3千もの顧客を直接訪ね、しょうゆ瓶を交換する手売り方式がメインなのだ。

 数ある商品の中で記者が手に取ったのは、熟成もろみを搾ったままの生揚(きあ)げに火入れしただけの一品。ラベルに「大豆、小麦、食塩、アルコール」としか書かれていない天然醸造「かほり」(1リットル、990円)。

 なんとも落ち着く香りとともに、酵母と乳酸菌が醸し出す、深く爽やかな味わいに感動した。 (佐藤弘)

 ▼若竹醤油 生みそ(1キロ、600円)、柿醤油(360ミリリットル、410円)なども。購入は「にじの耳納の里」「道の駅くるめ」など地場の直売所やネット販売で。若竹醤油=0943(72)2818。

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