コロナ疲れ癒やす美声…スーパー女子中学生「歌うま」準優勝で脚光

西日本スポーツ

 コロナ疲れの日本列島を歌で癒やす中学生がいる。北九州市在住の中学3年生、加藤詩乃さん(14)は「美空ひばり」から「あいみょん」まで幅広いジャンルの曲を“癒やし系ボイス”で歌いこなす。先日放送されたテレビ朝日系オーディション番組で準優勝に輝き、透き通った美声に心を打たれた視聴者が続出。ツイッターに届いた感謝のメッセージのお礼として、憧れの「尾崎豊」の曲を歌う動画をインスタグラムに投稿した。大好きな歌を通じて真心を届けようとしている。

 レコード会社の担当者や音楽プロデューサーら審査員の心を揺さぶった。日本一歌のうまい“歌うまさん”を発掘する「音楽チャンプ 歌うま日本一決定戦」で加藤さんは全国3000人から最終審査に残った他の3人とともに課題曲「I LOVE YOU」(クリス・ハート)を熱唱。民謡的なニュアンスが交ざった歌唱力と表現力に、ある審査員は「新しい日本のポップスの形が垣間見えた」と絶賛した。

 数票差で女王の座を逃しながらも「力の限り歌いました」と言い切った加藤さんに悔いはない。昨春に福岡県中間市であった「NHKのど自慢」で優勝。かねての夢で、今年3月に都内で開催される予定だった「NHKのど自慢チャンピオン大会」への出場を決めながら、新型コロナウイルス感染の拡大防止のため、大会が中止となった。今回の「歌うま日本一決定戦」で歌い終わった後、審査員に向かって深々と頭を下げたお辞儀には歌える喜びと感謝の思いが込められていた。

 両親が共働きで、幼少時から祖母の純子さん(74)が北九州市内で営むカラオケ喫茶店に預けられた。「気がついたらマイクをずっと持たされ、おじいちゃんやおばあちゃんみたいなお客さんたちと一緒に歌っていました」。名前の「詩乃」は「うたの」と読む。根っからの歌好きで、自然と昭和の演歌や歌謡曲に慣れ親しんだ。美空ひばりを「神様」と信じ込んでいた少女は、老人施設やボランティア活動など地域イベントのステージに立つようになった。

 小学生の時に友達から「歌(がうまいこと)を自慢してるの?」と言われて落ち込んだ。一時は歌っていることを周囲に隠し、将来の夢を聞かれたら、当時祖父が切り盛りしていた「おすし屋さん」とごまかしたりもした。中学1年だった2018年の秋には、歌うことに自信が持てなくなった。「認めてほしい」「認められたい」と思う気持ちが強かった。

 「余計なことは考えなくていいからね。全力で精いっぱい、詩乃の真心を伝えなさい」。母親から励まされ、勝負曲の「聖母たちのララバイ」(岩崎宏美)で臨んだのが19年3月の「古賀政男記念大川音楽祭」だった。駄目なら最後と覚悟を決めていた。過去に高校生だった氷川きよしが最優秀賞を受賞した一般歌謡部門で優秀賞に選ばれた。「ステージに登場した時よりも歌い終わった後に客席からいただいた拍手の多さ、大きさに感動しました。私が何で歌うのか、歌いたいのか、意味が分かりました」

 4月上旬に放送された「歌うま日本一決定戦」では、級友や知人から「すごかったね」「感動したよ」と称賛された。番組内で審査の選考過程も披露され、加藤さんが尾崎豊のバラードの名曲「Forget-me-not」を情感たっぷりに歌い上げる姿も話題を呼んだ。ツイッターに書き込まれた祝福や賛辞のメッセージに対する返信もなかなか追いつかない。クリス・ハートだけでなく、尾崎豊の曲も聞きたいという声に応えようと、動画を制作。新型コロナの影響でカラオケ店の休業を強いられている祖母を元気づけたいという思いもある。「将来はオールジャンルで歌える歌手になりたいです。幅広い人たちに届けられるように」。自分が抱いた感動を一人でも多くの人と分かち合いたい-。14歳の夢が誰かの心を温め、潤していく。(西口憲一)

【動画】憧れの「尾崎豊」の曲を歌う加藤詩乃さん

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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