DVや虐待…休校で児相への通報減 「被害が隠れているのでは」危機感

西日本新聞 社会面 梅沢 平 西村 百合恵

 外出自粛や学校の臨時休校が続き、懸念されるのが児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の増加や潜在化だ。家庭内のストレスがたまりやすい環境はリスクを増やし、家族が常にいるため声も上げにくい。海外では都市封鎖後にDV相談が増えた。専門家は「逃げ場の確保や孤立させない取り組みが重要」と訴える。

 「女性や少女に対する暴力の隠れたパンデミック(世界的大流行)」。国連は6日に声明を発表した。フランスでは封鎖以降にDV相談が3割増え、アルゼンチンやシンガポールなどでも同じ傾向が見られた。

 国内の行政のDVや虐待の電話相談窓口は継続中で、現時点、福岡県では新型コロナウイルス感染拡大の影響とみられる相談は増えていない。ただ、休校中で、虐待に関する学校から児童相談所への通報が著しく減っており、「家庭内に被害が隠れているのでは」(県の担当者)と危機感が広がる。

 DV被害者らの「避難場所」として宿泊施設を活用する動きもある。宿泊業の「カソク」(東京)は3日から、東京や福岡市のマンションの一室などを提供するサービスを始め、福岡では20部屋を確保した。全国で80件以上の問い合わせがあり、部屋の提供は20件。DV被害者が使った事例が数件あったという。

 NPO法人「福岡ジェンダー研究所」理事の倉富史枝・西南女学院大教授は「家庭によって形が異なるDV被害者の逃げ場を失わせないようにするのが肝心」。NPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「家庭訪問などで子どもを1人にしない取り組みが必要だ」と指摘する。

 県は「過去に虐待があった家庭には児相から電話や訪問を行い、積極的に経過確認をしていく」としている。 (梅沢平、西村百合恵)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ