そうだ、低山へ行こう! 標高210メートル、糸島の立石山

西日本新聞 もっと九州面 竹森 太一

玄界灘望むパノラマを満喫

 「そうだ、低山へ行こう!」‐。取材拠点の支局がある福岡県の糸島半島に“移住”して初めての春。ふと思い出したのが、山歩き専門誌「のぼろ」の創刊当初の特集(2014年冬号=第3号)のキャッチコピー。糸島はベテランからビギナーまで山歩きに親しめる名山も多い。知人が「さっと、登るなら…」と薦めてくれた標高210メートルの立石山を目指した。

 立石山は、地図上でポコンと突き出た糸島半島の西端に位置する。名勝・芥屋(けや)の大門(おおと)にほど近い。

 4月上旬の晴れた週末、糸島市中心部の支局を車で出発し、約20分で立石山の麓に到着した。整備された登山ルートの入り口は、南東側と北東側の2カ所。今回は「約20分の森林浴、ハイキング気分で登れる」という南東側の福ノ浦登山口からのルートで山頂を目指した。

 登山口そばに数台分の駐車スペースがあり、ありがたく利用。石段などで比較的よく整備された山道を進む。突き出た岩の間を越えていくような急勾配もあり、両手も使ってなんとか突破。下ってくる登山者にあいさつしながら、歩を進める。「ちょっと甘く見てたかも…」。腰を下ろし、休憩中だった女性2人組は笑顔で汗をぬぐった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、風が通る自然の中でも、登山客はマスク姿が目立った。

 10分ほど歩いた中腹で下山中の若い3人組に出会った。この春から、糸島半島にある九州大伊都キャンパスで学ぶ岡山県出身の高校の同級生で「山登りは大好き。糸島での1カ所目に立石山を選びました」。

 3人は大学近くの新居から、スポーツタイプの自転車で1時間20分ほどのサイクリングも楽しんで入山。亀渕翔平さん(19)は「風が気持ちよかった。糸島は人が優しくていい場所ですね」。入学式も見送られた大学が早期に再開し、糸島ライフを満喫できることを願っていると声を掛けた。

 急階段のような場所をいくつか抜けると、50歳の私がのんびり歩いても、30分足らずで山頂付近へ。青空の下の玄界灘を見渡せ、北東側に約6キロ続く弓状の砂丘「幣(にぎ)の浜」を望む景観が広がった。心が洗われる。

 南側の脊振山系、東側の糸島富士の異名もある可也山(かやさん、365メートル)も含め、360度のパノラマも満喫。ドライブ途中で立ち寄れるような身近な低山で、この展望を味わえるのはお得だろう。もちろん、足元は運動靴以上の装備で、飲み物とチョコレートなどの「行動食」も持参して。

 この日は、運動不足の体にむち打つことも兼ねた足早の取材登山となった。気兼ねなく出歩ける日に早く戻り、のんびりとした山歩きの時間を過ごせたら…。そう祈るばかりだ。(竹森太一)

   ◇   ◇

 糸島市観光協会のホームページでは、市商工観光課が作製したガイドブック「糸島の山歩き」のダウンロードが可能。登山ルートの地図や登山届ボックスの場所も確認できる。

※西日本新聞糸島支局のインスタグラム「nnp.itoshima」でも未掲載写真を公開しています。

 

 

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ