「24時間対応、受け入れ増やす」医師が語る 北九州の軽症者用ホテル

西日本新聞 社会面 大坪 拓也

 新型コロナウイルスに感染した軽症、無症状者の療養施設として福岡県が確保したホテル「東横イン北九州空港」(北九州市小倉南区)で診療に当たった山下典雄・久留米大病院高度救命救急センター教授(58)が16日、ホテル内の清潔区域で西日本新聞の取材に応じた。医療機関からの移送を始めた13日から16日まで態勢づくりも担った山下氏は「安心して療養できる環境にあり、医療崩壊を防ぐためにも受け入れを増やす必要がある」と話す。

 -219室を確保し16日までに計30人(3人退所)を受け入れた。ホテル内の現状は。

 「特に問題はない。災害支援や感染防御に精通した医師と看護師、県職員の計6人を配置し、4、5人が24時間態勢で対応してきた。17日にも職員増で計8人になる。宿泊者が100人を超えればもっと人が必要になる。マスクなどは足りているが、顔を覆うフェースシールドが不足気味だ」

 -医療スタッフらに感染を広げないためのゾーニングは。

 「集団感染が発生したクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』で、医療態勢の調整を支援した人材も入り万全を期している」

 -具体的には。

 「入り口からビニールで完全に仕切って二つの動線を設け、エレベーターも別々だ。2階はスタッフが寝泊まりし、入所者の連絡を昼夜受ける人員もいる。PCR検査の検体採取や診察は3階の一室で行い、他階に移動前にマスクやガウンも廃棄。クルーズ船の教訓から、問診票などを媒介した感染を防ぐため、書面をタブレットで撮影しやりとりする」

 -入所者の様子は。

 「医療機関に一時入院し発熱がない人を受け入れており、数人にせきや鼻水の症状があるだけだ。急に悪化する懸念はあり、朝夕の電話問診で兆候に注意している。不安から『検査結果はまだか』と繰り返し尋ねる人もいるが基本的に落ち着いている」

 -受け入れ数が少ないのでは。

 「本人同意が取れない場合もあるようだ。65歳以上の高齢者は受け入れないという基準を厳格に運用していることも影響しており、緩和すべきだ」

 -軽症、無症状者がホテルなどに入所する利点は。

 「入所者はすぐ相談や受診ができ、医療機関への搬送態勢も整っている。軽症者などに労力が割かれている医療関係者の負担を軽くし病床も確保でき、院内感染のリスクも減らせる」

 -受け入れ施設への風評被害もある。

 「空気感染することはなくナンセンスだ。誤解しないでほしい」 (大坪拓也)

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ