首相、10万円給付巡り謝罪 寄り添う姿勢アピール

西日本新聞 総合面 湯之前 八州 下村 ゆかり

 安倍晋三首相は17日、一連の新型コロナ対応で5回目となる記者会見に臨んだ。減収世帯に対する30万円給付から全国民への10万円支給に方針転換したことを「混乱を招いた」と率直に謝罪。一方で、緊急事態宣言の全国拡大や一斉休校、布マスクの全戸配布など、政府の感染拡大防止策の的確さをアピールすることに時間の多くを費やした。先の見通しに関しては「今から申し上げられない」などと歯切れの悪い言葉に終始。ウイルスとの闘いにもがく「1強」政権の姿が垣間見えた。

 会見は過去4回と同じく約20分間の首相の一人語りで幕を開けた。人出の削減が「7~8割」の政府目標に達しない現状への危機感を強調。3月20~22日の3連休に各地に人が繰り出したことを「緩みが感染拡大させた可能性がある」と言及し「都市部から地方への人の流れを避けるため、宣言対象を全国に拡大する」と述べた。「3連休の緩み」の原因が、一斉休校を「延長しない」とした自身の当時の判断にあると指摘されていることには触れなかった。

 10万円支給への変更は「国民との一体感を大切にする思い」から踏み切ったと理解を求めた。日用品販売、介護施設、ごみ収集…。宣言下で働いている人たちの職種を挙げて感謝の言葉を何度も口にし、国民に寄り添う姿勢を喧伝(けんでん)することも忘れなかった。

 質疑応答に移ると、首相が対策の正当性を訴える場面が目立った。休業要請の見返りに県などが支払う協力金に関し、自治体間でばらつきがあることを問われると「地域の努力の結果」と冷めた認識を示した上で「国は地方に交付金を出している」とPR。全世帯への布マスク配布が「批判を浴びている」と聞いた記者には「(あなたの新聞社の)インターネットサイトでも、布マスクを販売しておられた」と切り返した。

 各社世論調査で、内閣支持率が軒並み低下傾向にある首相。九州の自民党衆院議員は危惧した。「ともに乗り越えようと呼び掛けても結局、『地』を出してしまった。感染拡大が収まらず、首相に焦りが表れている」 (湯之前八州、下村ゆかり)

PR

政治 アクセスランキング

PR

注目のテーマ