春真っ盛り 季節の花々求め城山へ 福岡県

ギンリョウソウ、テンナンショウ…

 宗像市と岡垣町の境に位置する城山(じょうやま)が春真っ盛りだ。標高369メートルの手軽に登れる山だが、全山が植物群落保護林に指定され、タブノキやシイ、カヤなどの原生林に覆われた豊かな自然が広がる。この時期にしか見ることができない花や植物を求めて野山を散策した。

 城山は宗像四塚連山の一つで、かつては山頂に宗像大宮司の城があり、後に室町幕府を開く足利尊氏が都落ちして九州に逃れた際、城に招かれたと伝わる。現在は山頂まで登山道が整備されており「九州で最も登りやすい山」といわれる。複数の登山コースがあるが、登山道入り口に駐車場やトイレが整備された「教育大登山口」から山頂を目指してみた。

 山頂までは約1キロ。日陰になった場所では、足元に目を凝らしてほしい。高さ約10センチの透明感がある白色の花が咲いている。腐生植物のギンリョウソウだ。花の先端がうつむき加減になっていることを幽霊に見立てて別名「ユウレイタケ」とも呼ばれる。これから夏にかけて次々と地中から顔を出し、群生する姿はなかなか見事だ。

 登山道のあちこちや林の中にふわふわの丸い綿毛が落ちている。つる性多年草キジョランの種だ。キジョランは、旅するチョウとして知られるアサギマダラの幼虫が葉を食べ、城山は一大繁殖地となっている。まもなく色鮮やかなチョウの舞う姿も見ることができそうだ。

 山頂までは約30分。玄界灘や響灘が一望できるほか、山頂広場には顔のある木もあるので探してみよう。一休みして帰路は三郎丸ルートを歩いた。こちらの登山道でよく見かけるのがサトイモ科のテンナンショウ属の植物だ。「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる仏像の光背を思わせる形の葉がひときわ目を引く。仏炎苞が暗い紫色でヘビが鎌首をもたげた姿に見えるマムシグサと、葉が大型で仏炎苞が馬具のあぶみに似たムサシアブミなどを見つけることができた。いずれも秋になると真っ赤な実をつける。

 城山では6月になると、黄色や純白のレースをまとった姿からキノコの女王と呼ばれるウスキキヌガサタケや、幼菌のうちは真っ赤で丸いタマゴタケも見ることができる。低山とはいえ、底の厚いスポーツシューズや運動のしやすい服などを準備して登ろう。 (床波昌雄)

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