「学びの形」変化の兆し フリースクール、オンラインで授業先行

西日本新聞 社会面 四宮 淳平

コロナ休校下、継続的な学び提供

 新型コロナウイルスの感染拡大により多くの学校で休校が続く中、オンライン授業に切り替えることで始業したフリースクールがある。誰もが学校に行けない事態が広がり、これまでは不登校生の受け皿だったスクールが先行して継続的な学びを提供している。関係者は「不登校の捉え方や“学校”の形が変わりつつある」と捉える。

 「1人で走るとつらいマラソンも、一緒に走る人がいれば違うよね。みんなの横で一緒に走ったり、歩いたりしていきたい」

 7日、福岡市早良区のフリースクール「NPO法人みんなの学び館」。福永宅司理事長(60)がタブレット端末の画面に映る子どもたちに語りかけた。

 市内の小中学校が始業式を延期する一方、学び館はテレビ会議システムで各家庭の子どもたちをつないで開催。不登校ではない千葉県の小学生も今春から新たに迎え、小中学生計13人でスタートした。

 「自宅にこもる子どもとつながる手法として、昨秋からオンラインは考えてきた」と事務局長の長田光司さん(29)。平日は午前9時半から午後2時ごろまで、昼食を挟んで個別学習や少人数授業、学習内容の発表やおしゃべり会を行っている。長田さんは「通信制の小学校をイメージしている」と意気込む。

 福岡市内で二つのフリースクールを運営している認定NPO法人「エデュケーションエーキューブ」もネットで子どもとつながり、7日に始業した。

 「信頼関係が大切なのは対面と同じです」。草場勇一代表理事(49)たちは、実際の対面とは異なるコミュニケーションにも気を配っているという。

 「今日どうする?」。スタッフは毎朝、子どもたちに一日の計画を尋ねる。気分や体調面の影響も大きく、すぐに返事をしてくれるとは限らない。日頃の子どもの様子を踏まえた粘り強い対話が求められる。

 3月末時点で小中高生35人が在籍。授業参加の頻度を決め、何をどう学ぶのかを選択するのは子どもたち自身だ。「本来の学びの姿です」と草場さん。感染拡大が深刻な米ニューヨークの知人とネットをつなぎ、現地の状況を紹介してもらう授業も試みた。

 草場さんは「子どもたちをどう引きつけ、学ぶ意欲を持たせるか。問われているのは教える側の本質的なスキル」と語る。 (四宮淳平)

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