日本最初のテレビドラマが放送されたのは1940(昭和15)年4月13日…

西日本新聞 オピニオン面

 日本最初のテレビドラマが放送されたのは1940(昭和15)年4月13日。戦後、テレビの本放送が始まる13年前のことだ。NHKが実験放送した「夕餉(ゆうげ)前」という12分ほどの番組。結婚を控えた娘と母、兄の日常を描いたホームドラマだ

▼まだ録画技術がなかったので、ドラマなのに生放送だった。当時はカメラの感度も非常に低く、強烈な照明を当てなければならなかった。出演者は髪が焦げるほどの暑さに耐えたそうだ

▼テレビドラマの黎明(れいめい)期は困難の連続だったろうが、誕生から80年の今、新たな困難に苦しんでいる。新型コロナの影響だ。感染拡大につながる「3密」を防ぐため、ロケやスタジオでの収録が難しくなった

▼そのせいで、4月スタートの予定だった新ドラマが相次いで放送延期された。7年ぶりに戻ってくるはずだったTBSの大人気ドラマ「半沢直樹」シリーズもその一つだ

▼がっかりした人も少なくないだろう。ファンからは「出演者やスタッフの安全が第一」「中途半端に制作するよりも、万全の態勢でいい作品にして」との応援の声も目立つ

▼テレビドラマに限らず、映画や舞台、コンサート、美術展…。ほとんどの文化・芸術の創作や発表の場がコロナによって閉ざされ、携わる人たちの生活が窮地に追い込まれつつある。欧州各国のように文化を枯死させないための支援も急ぎたい。「倍返し」で楽しめる日を迎えるために。

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