3密なくても…キャンプ場も休業続々 「移動や周辺の混雑」懸念

西日本新聞 社会面 横田 理美

 外出自粛の呼び掛けが続く中、「密閉、密集、密接の3密が避けられる」として親子連れなどに重宝されている九州各県のキャンプ場で、休業の判断が相次いでいる。キャンプ場にとって大型連休は書き入れ時だが、「移動や周辺の混雑を呼び起こしてしまう」と苦渋の決断に至った。営業を続ける施設も「1日1組限定」など規模を縮小し、遊び場の確保に腐心している。

 小学2年の長女と5歳の長男を育てる福岡県内の母親(31)はゴールデンウイーク(GW)に向け、県内で営業しているキャンプ場を調べ始めた。3月に公園でわが子を遊ばせていたところ、高齢者から自粛を促されたという。「長い自粛生活を送ってきたがもう限界。県外には行けないし、近場のキャンプ場が最後のとりでです」。安心できる遊び場を探し求めている。

 「キャンセルが増えれば密集しないので、営業を続けることも考えたが…」。熊本県山都町の服掛松キャンプ場の支配人、西原淳平さん(48)は、休業に踏み切った苦悩を明かす。

 16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受け、150組超が自由にテントを張るフリーサイトを5月6日まで一時閉鎖。予約制の12区画とログハウス22棟の営業は状況をみて判断することにしたが、「思ったほどキャンセルが出なかった」。利用客が買い出しをする近隣スーパーなどでの感染拡大を懸念し、休業を決めた。

 例年、GWは計約700人の利用客でにぎわい、今年の予約もキャンセル待ちとなっていた。「年間の売り上げの1~2割をGWに稼ぐので痛手。だけど安全には代えられない」。西原さんのため息は深い。

 情勢の転変に翻弄(ほんろう)されたのが、福岡県からの利用客が8~9割を占める佐賀県唐津市の県営波戸岬キャンプ場だ。福岡など7都府県を対象とした7日の緊急事態宣言直後、山口祥義知事が対象地域との往来自粛を呼び掛けたことから、7都府県からの利用自粛をブログで発信。翌8日には県の要請で利用自粛の範囲を佐賀県以外の全国に広げた。

 運営を受託する静岡県の会社によると、がら空きになったGWの予約枠はすぐに佐賀県内の客で埋まった。だが16日の対象拡大を受け「営業を続けることが暗に移動を喚起することにつながる」と、GWまで休業することに。客からは「仕方がないね」「再開を心待ちにしているよ」などの声が寄せられたという。

 一方、長崎県西海市の無人島、田島を利用した自然体験施設は5、6月の予約を1日1組に限定して営業する方針。不特定多数の接触をなくし、貸しテントの除菌やスタッフの体調管理も徹底する。GWは2件の予約が入ったが、状況次第では休業する可能性もあるという。市内の運営会社の責任者は「経営的には大変厳しいが『来て』とも言いづらい」と頭を抱える。 (横田理美)

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