100万人に1人の難病抱え…2児の父、農業に再チャレンジ

 「寝たきりでも難病でも働ける場所を作る」。福岡県岡垣町の落水洋介さん(37)は進行すると寝たきりになる難病「原発性側索硬化症」(PLS)を患い、闘病しながら、ニンニクを水耕栽培する事業を始めるためクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。突然体が思うように動かなくなり、仕事を失った。障害者の日常を前向きにつづるブログが人気になり、講演依頼が相次ぐようになった。多くの支援に感謝しながら、事業を成功させて「障害者の働き口を増やしたい」と意気込んでいる。

 厚生労働省などによると、PLSの国内での有病率は100万人に1人。治療方法はなく、進行すると寝たきりになるという。

 30歳の頃、突然うまく歩けなくなった。病院でも病名は分からず、次第に手も思うように動かなくなった。転職したばかりの会社では体が不自由なことを理由に営業職を外され、仕事が一切ない事務職にされた。事実上の退職勧告だった。

 約2年後にPLSと診断された。妻、子ども2人との暮らしを思うと、障害年金が申請できるようになって「ほっとしました」。だが、職探しを始めたが、求人の少なさ、賃金の低さに驚いた。知人の紹介で社会福祉法人の広報担当に就職することができたが、障害者を取り巻く現状に疑問を抱いた。

 ブログを始め、困難な状況や疑問を、ユーモアを交え、前向きに発信した。医療福祉関係者の間で評判になり、共感の声が寄せられた。小学校時代にサッカーを通じて知り合った元日本代表のFW大久保嘉人選手も応援してくれた。講演依頼が相次ぎ、昨年だけで年100回以上を行った。

 ニンニクの水耕栽培は1年ほど前に旧知の農業関係者からノウハウを教えてもらい、法人職員をしながら挑戦したが、一度は頓挫した。ただ友人が脳卒中で倒れ、職を失ったことをきっかけに、その友人と再チャレンジすることを決めた。

 「自分は健康だけが取りえ」と思い込んでいただけに、落水さんはいつ誰が障害者になってもおかしくないと痛感した。「足の指と目しか動かせなくても生き生きとしている人はいる。障害者が活躍できる場を築きたい」と話している。

 目標額300万円は達成したが、「早い段階で障害者雇用に結びつけたい」と、さらなる寄付を呼び掛けている。寄付は26日まで。CFサイト=https://camp‐fire.jp/projects/view/204013 (岩佐遼介)

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