緊急事態2週間 大型連休自宅で過ごそう

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけ、緊急事態宣言を期限の5月6日で解除できるのか。私たちがこれまで以上に人との接触を減らし、「感染しない・させない」行動に徹することに懸かっている。これから2週間ほどが正念場だ。

 来週29日には大型連休が始まる。行楽を楽しみにしていた人も少なくなかろう。しかし今年は自宅で過ごしてほしい。3月の3連休で警戒が緩み、感染が広がったとされる。同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。

 全国に先駆けて特別措置法に基づく緊急事態宣言が出た7都府県は、外出自粛と休業の要請が始まって2週間が過ぎた。商業施設や娯楽施設などが軒並み閉ざされ、在宅勤務の拡大とも相まって、都心部の人出は大きく減っている。

 事態が深刻な東京都や福岡県はこの1週間ほど、感染者数の伸びが鈍化した。市民が多くの「痛み」に耐え、外出や仕事を自粛した結果と言えるだろう。

 それでも、7都府県で連日発表される感染確認の数字は楽観できるものではない。全国で見れば「持ちこたえている」状況に変わりはなかろう。

 これまで感染者が少なかった地域でも感染確認が相次ぐ。県境を越えた人の往来が背景にあるとみられている。

 最も心配なのは感染経路不明の感染者が増えている点だ。各地の病院で集団感染が発生し、医療崩壊の危機も現実味を増している。集団感染はこのほか、長崎市に停泊中のクルーズ客船や福岡県久留米市のナイトクラブでも起きている。

 都心や繁華街からにぎわいが消えた一方、地域のスーパーや商店街は混み合い、公園でジョギングや散歩をする人が増えている。こうした場所での感染リスクも指摘され始めた。

 政府の専門家会議はあらためて接触機会の「8割低減」を訴えた。実現のために「スーパーでの買い物やジョギングは少人数で、人が少ない時間帯に行う」など10の具体例を示した。感染は屋外でも起こりうる。徹底的に「3密」(密閉、密集、密接)を避けることを、当面の生活習慣とするべきだろう。

 10の具体例には、大型連休を想定した「ビデオ通話によるオンライン帰省」も示された。帰省先となる高齢世代は感染した場合の重症化リスクが高いことをよくよく考慮したい。最新の技術をお年寄りに試してもらう機会になるかもしれない。

 行政には油断が許されない。感染者がいつ急増するか分からない。都道府県は地元医師会と連携し、PCR検査の拡充と、重症患者に力点を置いた医療の受け皿整備を急ぐ必要がある。

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