音楽ライブ配信に熱視線 福岡のエンタメ施設、演奏者と生き残り懸け (2ページ目)

西日本新聞 木村 貴之

全国にファン増やしたい

 ライブ配信の準備を急ぐ施設もある。中央区清川のライブハウス「キャバーンビート」。4月中旬、配信に必要な機材購入資金などをインターネットで調達するクラウドファンディング(CF)に乗り出した。

 施設はプロを夢見る若手バンドら約100組が利用しているが、施設休業に合わせて大半が活動を休止。「彼らを支援していくのにライブ配信は不可欠。最新機器で態勢を整え、臨場感あふれる映像と音声で全国にファンを増やしたい」と町田秀樹代表(57)。動画投稿サイト「ユーチューブ」に配信して広告や「投げ銭」で収益を得る計画で、CFで500万円の調達を目指す。

 ライブ配信を巡り追い風も吹く。福岡県の休業要請に伴う福岡市の独自の緊急支援策。ライブハウスなどでは店舗賃料補助に加え、配信設備の経費助成(上限50万円)も打ち出した。

 この支援策に東区箱崎で老舗印章店を営む小山田義浩さん(49)が反応した。小山田さんは13年前、店舗2階にジャズやクラシックのコンサートができるミニホール「もも庵」を開設。ホールを利用してきた地元のジャズ奏者や音楽教室を支援するためライブ配信の導入を検討し、市の助成を申請する準備を進める。

 「交流の輪を広げようと開設した空間。その機能をグレードアップして交流を守りたい」と小山田さん。具体的な配信方法も購入予定機材も「模索中」と話すが、同じ悩みを抱える関係者は少なくないようだ。

感動体験を終わらせない

 そんな状況を察知し、福岡市で映像制作会社を経営する松尾龍馬さん(37)=同市南区=が動いた。今月中旬、「ライブハウスが無観客ライブ配信するために必要な機材まとめ」と題した臨時サイトをネットで無料公開。カメラやスイッチャーなどの機材、配線図、配信方法-を紹介する。

 「市の支援策はとても画期的。『感動体験を終わらせない』を合言葉に僕らが培った知識や経験を活用してほしい」と松尾さん。小山田さんも臨時サイトを閲覧し、構想に役立てる。

 松尾さんによると、ライブ配信に必要な機材は、既に中古市場でも全国的に価格が急上昇。音楽の街・福岡では、施設側は演奏者との絆を強める一方、地元の文化を一層盛り上げるための工夫と努力が求められそうだ。(木村貴之)

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