井上陽水さんに「TEENAGER(ティーンエージャー)」という歌がある…

西日本新聞 オピニオン面

 井上陽水さんに「TEENAGER(ティーンエージャー)」という歌がある。13歳から19歳までを伸びやかに歌い上げた名曲だ

▼陽水さんが描いたそれぞれの年齢のイメージは、13歳=栄光、14歳=未来、15歳=世界、16歳=涙、17歳=奇跡、18歳と19歳=嘆き。栄光の未来を夢見、世界を広げ、恋に涙し、青春の奇跡を謳歌(おうか)する。社会に出る不安も募るが、人生で二度とない輝く年代である

▼そんな10代の「代弁者」だったのが尾崎豊さん。ギターを始めた少年時代に陽水さんの曲を歌った

▼デビューは校内暴力が深刻化した1983年。♪とにかくもう学校や家には帰りたくない(15の夜)♪この支配からの卒業(卒業)-。偏差値と校則に縛られた中高生の圧倒的な支持を得たが、28年前のきょう、26歳で早世した。追悼式には4万人が集ったといい、大人たちはその時初めて彼の絶大な影響力を知った

▼時代は令和となり、10代のありようも変わった。深刻なのが自殺。昨年の統計では10代だけ自殺者が3年連続で増え、その数は659人と過去20年で最多だった。今や新型コロナウイルスの影響で学校に行けず、内定を取り消され、アルバイトもできない

▼嘆きの10代に尾崎さんならどんなメッセージを送るか。最後のツアーで言い残した言葉は「ユー・キャント・ミス・イット(すぐ見つかるよ)。頑張ろうね」。見つかるのは「希望」と信じたい。

PR

春秋(オピニオン) アクセスランキング

PR

注目のテーマ