終戦直後に発行された「カストリ雑誌」。安物の紙に印刷され…

 終戦直後に発行された「カストリ雑誌」。安物の紙に印刷され、低俗な記事も多かった。3号で廃刊になるといわれ、3合飲むと悪酔いしてつぶれてしまう粗悪な酒「カストリ」からこの名が付いた

▼カストリは、闇市などで出回った密造酒の総称。中には工業用のメチルアルコールを混ぜた悪質なものも。失明や中毒事故が相次ぎ「目散る」と恐れられた

▼私たちが飲むお酒はエチルアルコール。手などの消毒に使うのもこちらだ。新型コロナの感染拡大により、消毒薬は品薄で手に入りにくい。そこで高濃度のエチルを薄めて自作する人が増えているという

▼ただし、十分な注意が必要だ。高濃度のアルコールは引火しやすいので火気は厳禁。もっと危ないのは毒性の強いメチルを使ってしまうケース。エチルと名前が似ているので間違えやすく、同じアルコールだからと素人判断で購入する人もいるそうだ。「メチルは絶対使わないで」と行政などが呼び掛けている

▼病魔から身を守る盾である消毒には誰もが敏感になっている折、米国から信じられないニュース。トランプ大統領が、消毒用アルコールなどの殺菌剤を「注射すれば、あっという間に(ウイルスを)倒せるのではないか」と記者会見で

▼人体への直接投与は極めて危険で、専門家は「絶対しないで」。米大統領の発言の信頼性はカストリ雑誌以下か。粗悪な酒で悪酔いして見る悪夢のようだ。

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