「炊き出し」事前の備えは道半ば 調理場や人員確保「未定」52% (2ページ目)

 日本公衆衛生協会の全国自治体アンケートのとりまとめ役を担った、熊本県の保健所に勤める行政管理栄養士、久保彰子さんに、調査の狙いや今後取り組むべき課題について聞いた。

防災計画部署と問題意識共有を

 災害時の食の問題は、空腹を満たすためだけでなく、健康悪化を防ぎ、ストレスを強いられる中で楽しみや安息感を得られる大切なテーマ。その改善のため、自治体職員が現場で取り組むべき支援活動のガイドラインをまとめ、人材育成に生かすのが狙いでした。

 今回、初めて全国すべての市区町村の防災計画を担当する部署にアンケートをしました。食料の備蓄、炊き出しや弁当の提供など関係団体との協定の必要性など、準備体制づくりに関する栄養士や保健師の問題意識を、全体計画の中できちんと位置付けて一緒に考えてもらう、きっかけにという思いがありました。

 調査の結果、備蓄一つとっても、アルファ化米や乾パンといった主食が中心で、おかずになる缶詰やレトルト食品、スープやみそ汁のもと、アレルギー対応食品などは不十分な実態が分かりました。

 過去に災害を経験した自治体と、そうでないところでは、防災担当の部署でも意識の差がうかがえました。私に調査に携わるよう声が掛かったのも、九州北部豪雨熊本地震の際に対応した経験を見込まれたからだと思います。

 自衛隊の炊き出し事例にもあった献立の問題などは、協定を結ぶ際に栄養士がもっと関われば改善されるはず。全国で地震や豪雨が相次ぎ、避難生活も長期化しています。避難所の運営に当たる自治体職員と食の問題意識を共有できるよう、調査結果を生かしていきたいです。(談)

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