巣ごもり中に読書するなら? プロに聞くオススメ5冊

 新型コロナウイルス感染予防のため、ゴールデンウイーク(GW)期間中も自宅で過ごす時間が長くなりそうです。この機会に本を手に取ってみるのはどうでしょう。西日本新聞筑豊版「司書のオススメ!」の筆者ら4人に、お薦めの5冊を尋ね、そのうち「特にこれは」という1冊について語ってもらいました。 (田中早紀、丸田みずほ)

■免疫について学ぶ

飯塚市立図書館・山下留美さん

 小児科医と管理栄養士の共著で、料理のレシピだけでなく、食に関して役立つアドバイスが載っているのが特徴です。免疫力を高めるにはバランスの良い食事が大切だと言いますが、そもそも「免疫」とは何なのかを簡潔に書いており、親子で一緒に健康について学ぶことができます。

 本の中では、免疫細胞を兵隊に例え、体内に侵入してきたウイルスをどうやっつけていくのかを、分かりやすく説明しています。今だからこそ楽しく、面白く免疫に関する知識を身に付けてはいかがでしょうか。

 レシピも50種類と豊富で、ひと皿で済むメニューからおやつまで幅広く載っています。休校中、毎日の食事を考えるおうちの方の助けになればと思います。

(1)免疫力を高める 子どもの食養生レシピ(相澤扶美子・榊玲里著、PHP研究所)

(2)ムスメからおとうさんへ。いろんなキモチぐるぐる(k.m.p.著、東京書籍)

(3)お母さんだけが頑張らないラクちん片づけ(小宮真理著、辰巳出版)

(4)写真の整理は、こんなに楽しい! 人生を1冊でふりかえる手作りアルバム(藤井千代江著、青春出版社)

(5)大人が読みたい絵本 “童心”と“好奇心”をくすぐる大人のための名作絵本500冊(三栄書房)

■静けさ味わう一冊

嘉麻市立図書館・藤原千晶さん

 ある湖で夜明けを迎えるまでを描いた絵本です。湖のそばにある木の下で眠るおじいさんと孫が、夜が明けるのを待って船でこぎ出します。ストーリーはシンプルで文章もごく短く、ゆっくりとした時間が流れていきます。

 楽しい本も良いと思いましたが、今の世の中のように、この静けさを味わう本も良いのではないかと思って選びました。どうしても暗い気持ちになりがちですが、この本は色合いも渋く、読めば穏やかな気持ちになります。

 大人の方にもぜひこの機会に読んでいただきたい一冊です。「夜明け前が一番暗い」と言いますが、世界がじわじわと明るい方に向かっていくことを願っています。

(1)よあけ(ユリー・シュルヴィッツ作・画、瀬田貞二訳、福音館書店)

(2)おばあちゃんの知恵袋大事典【愛蔵版】(和の暮らし研究会著、宝島社)

(3)クロニクル千古の闇(1)~(6)(ミシェル・ペイヴァー著、さくまゆみこ訳、評論社)

(4)あひる(今村夏子著、書肆侃侃房)

(5)大人になったら行ってみたい! 世界のふしぎな風景図鑑(パイインターナショナル編著、パイインターナショナル)

■パズル埋める感覚

直方市立図書館・野口和夫館長

 世紀の難問「ポアンカレ予想」を解いたにもかかわらず、100万ドルの賞金を拒否し森に消えたロシアの数学者、ペレルマンの伝記です。

 本人は取材を受けていないため、身近な人が語るエピソードから徐々に彼の人物像に迫ります。読み進めるにつれて、ジグソーパズルのピースが埋まっていくように全体像が見えてきます。本人が何も語っていない以上、最後の一つのピースは欠けているのですが、丁寧な取材のおかげで「おそらくこんな形ではないか」と、想像することができます。

 数学者の話ですが、理系でない私でも十分楽しめました。人物像を追うというひと味違った読書体験が可能です。

(1)完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者(マーシャ・ガッセン著、青木薫訳、文芸春秋)

(2)こどもヨガソング ヨガであそぼう! アートヨガほぐしあそび(小澤直子・新沢としひこ著、鈴木出版)

(3)放浪記(林芙美子著、新潮文庫)

(4)きみの町で(重松清著、ミロコマチコ絵、朝日出版社)

(5)光村ライブラリー 中学校編 第五巻「朝のリレー」ほか(谷川俊太郎著・訳《ほか41名別記》、光村図書出版)

■喜怒哀楽が面白い

元野木書店専務・元野木正比古さん

 「あいうえお-」の一文字ずつに言葉を乗せ、その表情の絵が大きく描かれています。ストーリーはありませんが、喜怒哀楽が上手に表現されていて面白いです。例えば「け」。「けんかしちゃって」の顔は、そっぽを向いて涙を流しながらも怒っているような、さみしいような…。複雑な気持ちが表れています。

 ひらがなを覚えたての3~5歳児にお薦めです。3歳の長男も、声に出して読んで絵のまねをしてくれます。「どの顔が好き?」と聞いてみたり、まねをした写真を撮ったり、親子のコミュニケーションにつながります。

 遊び方を指南した冊子もついています。本が小さく、文字が大きいので子ども一人でも読めます。

(1)こんなかおして あいうえお(二歩作・絵、ポプラ社)

(2)こども六法(山崎聡一郎著、伊藤ハムスター絵、弘文堂)

(3)新世界より 上・中・下(貴志祐介著、講談社文庫)

(4)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上・下(村上春樹著、新潮文庫)

(5)ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(ブレイディみかこ著、新潮社)

 

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