緊急事態宣言 延長提言を見送り 全国知事会

地方で温度差

 全国知事会(会長・飯泉嘉門徳島県知事)は29日、新型コロナウイルス対策本部の会合をテレビ会議で開催。5月6日が期限の緊急事態宣言について、国に対し全都道府県を対象に延長を求める方針を大筋で確認した。提言としてまとめる予定だったが、複数の知事から異論が出るなど温度差も明らかになり、結論は30日に持ち越した。

 会議には九州6県を含む42都道府県の知事が参加し、午前中から計4時間半にわたり議論が続いた。

 緊急事態宣言について、佐賀県の山口祥義知事は「今の段階で、地方側から継続を求める打ち出しには違和感を抱かざるを得ない」と率直な声を上げた。佐賀県は温泉街などの施設に対し、5月6日までの休業を要請している。「最大、最後の期間という意識で取り組んでいる。何度も『おおかみ少年』のような形でやってはいけない」。延長論に抵抗感をにじませた。

 もともと国への提言案に「全都道府県を対象」との言葉が盛り込まれたのは、緊急事態宣言が一部地域で先行して解除されれば、感染者が多い地域から解除地域への新たな人の移動が生じてしまう懸念があるためだ。知事の多くは「全国一律の延長はやむを得ない」との立場で共通している。

 ただ、休業要請に応じた店舗などに対する協力金に支出が認められた国の地方創生臨時交付金は1兆円にとどまっており、「宣言が延長されるのであれば、とても困難」(福岡・小川洋知事)と財源不足を訴える声は大きい。知事会関係者は「問題は全国一律かどうかではなく、延長に際して国から『責任を持つ』との担保を得られるかどうかだ」。最終的な提言に、「国としての判断を前提として」との表現を入れる方向で調整していると明かした。

     ■ 

 この日の会議は、休校の長期化を受けて知事有志が導入を求め、国会論戦で急浮上している「9月入学制」もテーマの一つとなり、推進派と慎重派がそれぞれ持論を唱えた。

 東京都の小池百合子知事は「社会改革の一つとして、日本として何を残すかという大きな構えでやるべきだ」。大阪府の吉村洋文知事も「実現するとしたら、このタイミングしかない」と強調し、九州では鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が「基本的には導入に賛成だ」と歩調をそろえた。

 これに対し、栃木県の福田富一知事は「今、私たちがやるべきことは不安を解消すること。社会構造を大きく変えることを、コロナに紛れてやっていいのか」と疑問を投げ掛け、富山県の石井隆一知事も「行政や民間の仕組みとも関連するので、本年度からというのは拙速だ」と述べた。

 意見の集約には至らなかったが、飯泉会長は終了後に「議論の俎上(そじょう)に載せ、全国知事会としてやっていく」と話し、国への提言に「9月入学制の検討」も含めることを示唆した。提言は30日にも、西村康稔経済再生担当相らに提出する予定という。 (川口安子)

関連記事

PR

PR