益城の陶芸家2度目の試練「踏ん張る」 地震で被災、コロナで個展中止

西日本新聞 夕刊 壇 知里

 熊本県益城町の陶芸家宇土秀一郎さん(50)が開業10年を記念し3月末から開催予定だった個展が、新型コロナウイルスの感染拡大で中止を余儀なくされた。熊本地震では実家が被災し工房を縮小して再出発した。「苦境だからこそ、時間をかけて思いの詰まった作品を仕上げたい」。自らの陶芸を見つめながら2度目の試練に挑む。

 宇土さんは益城町出身。大学生の頃に趣味で陶芸を始め、実家の飲食店を手伝いながら技を磨いてきた。沖縄県の陶芸家に弟子入り後、2010年にプロとして独立した。

 高齢で1人暮らしの母を支えるため16年に帰郷。実家の庭先に工房を建てるため整地を済ませた同年4月14日、震度7の地震が襲った。食器棚やたんすが倒れ、作品は粉々に割れた。

 同年7月、工房が完成。住宅の建て替え需要が殺到し工期や費用の見通しが立たなくなったため、予定の3分の1ほどの広さのプレハブ造りに切り替えた。近所の大工が雨よけを付けてくれるなど周囲の優しさも感じた。

 この頃、代表作「鉄釉」が生まれた。火の国熊本の人々が地からはい上がる力強さをイメージして、濃い赤茶色で仕上げた。

 地震の後は、沖縄や東京で個展を開き生計を立てたが、新型コロナウイルス問題では場所を変えることもできない。「陶器の色や形を考える時間がたっぷりできた。地震のときのように踏ん張り、終息後は全国を回りたい」

 (壇知里)

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