村の学校「ネット環境万全」 宮崎・西米良村、オンライン授業に手応え

西日本新聞 佐伯 浩之

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で小中学校などが休校となる中、宮崎県西米良村の村所小と西米良中ではオンライン授業が行われている。村では20年以上前にインターネットの整備に着手し、2016年度から児童・生徒全員にタブレット端末を貸与するなど環境が整っていたことが授業を可能にした。コロナ禍で各地の学校や教育委員会が遠隔授業の導入を模索する中、両校の取り組みが注目される。

休校決定に即応

 「この卵は、何の卵でしょうか」。4月28日午前、村所小の3年生9人を結んだ理科の授業。教室にいる教師の前には、パソコンと児童の顔が映し出された電子黒板がある。児童は自宅でタブレットなどを使い、教師と対面。教師の問いに児童が手を挙げて答える仕組みは、教室での授業と同じだ。電子黒板には教科書や資料が映され、児童はタブレットなどで見ることができる。

 村教委は、県内で新型コロナウイルスの感染が報告された3月以降、オンライン授業の実施を検討した。4月に入り、保護者にアンケートを実施し、無線LAN「Wi-Fi」を持たない家庭に貸し出すWi-Fiルーターを確保するなど、準備を進めた。

 村所小によると、オンライン授業は休校が決まった直後の4月22日から開始。当初は教師も手探り状態だったが、今では児童も授業を楽しみにしているという。尾崎正朗校長は「教師と児童は、互いに顔を見ることができるので安心できる」と手応えを語る。

22年前から整備

 西米良村は県西部の山間地に位置し、人口は1102人(4月1日現在)。1998年ごろから、黒木定蔵村長が村内のインターネットの環境整備に着手し、全世帯に光回線が敷設されている。黒木村長は「山間地でも、村民が情報を早く入手できるよう環境を整えた」と意義を強調する。

 村教委は2016年度から、村所小と西米良中の児童・生徒にタブレット端末を貸与し、授業に積極活用してきた。現在、児童・生徒計92人がオンライン授業に取り組んでいる。

 オンライン授業の開始に伴い村教委は、児童・生徒の生活リズムの安定や、教師と児童・生徒の絆の維持など4項目の教育目標を掲げた。教師への研修会を進めた古川信夫教育長は「学びの保証と同じく、山間地に暮らす子どもたちの孤独感やストレスの解消などの目的もある」と話す。

県教委も検討へ

 村所小と西米良中のオンライン授業は、村の先進的取り組みの中から生まれた。県教委によると、オンライン授業は県内唯一で最先端という。一方、県教委は、各科目の要点などを県教委の指導主事らが中心になって解説する動画投稿サイトユーチューブ」制作の検討を始めた。

 県教委は、5月6日までとしていた県立学校(特別支援学校を含む)の臨時休校について、10日まで延長すると決めた。西米良村も近く休校延長について判断するが、休校になった場合は引き続きオンライン授業に取り組むとしている。

 古川教育長は「今後も取り組みを充実させて、子どもたちの学びを確かにしたい」と話している。 (佐伯浩之)

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