法テラスが電話、ネット相談を初導入へ コロナが生む社会問題に対応

西日本新聞 社会面 押川 知美 黒田 加那

 日本司法支援センター法テラス)は5月中にも、電話やオンラインを活用した法律相談を始める。新型コロナウイルスに対応するためで、対面以外で相談を受け付けるのは2006年の設立以来初めて。法務省などによると、全国の地方事務所は現在、原則対面相談を中止しており、コロナ禍で増加が懸念される家庭内暴力(DV)などの相談に対応する狙いがある。

 関係者によると、利用者は電話やメールで相談の日時を予約。電話のほか、パソコンやスマートフォンを通じてテレビ会議方式で法テラスと契約する弁護士、司法書士に相談する方法を検討している。

 法テラスでは、経済的に余裕のない利用者が裁判や調停の手続きを依頼する場合、着手金などの費用を一時的に立て替えてもらい、分割で返済できる。「収入が減った人も利用しやすい」(関係者)という利点がある。海外では外出制限でDVが増えるケースもあり、国内での相談の受け皿として期待される。

 法務省は、対面以外での相談を始めるため、法テラスの業務内容を規定する「業務方法書」の改訂を調整している。通常は手続きに数カ月かかり、関係機関との調整を急いでいる。

 早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「緊急時には労働問題や家庭内トラブルが増加し、しわ寄せは弱者に集まる傾向にある。法テラスの柔軟な対応は評価できる」と話す。

 一方で、欧米や韓国などに比べ、日本では法律相談や裁判手続きなどのオンライン化が進んでいない現実を挙げ「在宅勤務や在宅診療などの動きと歩を合わせて進めるべきだ」と指摘した。(押川知美、黒田加那)

 ◆法テラス  2006年設立。本部(東京)のほか、全国に110の事務所がある。法的問題の解決に役立つ制度や窓口についての情報提供のほか、経済的に余裕がない人に向けた無料法律相談も行っている。07年度には14万件台だった相談件数は、18年度は過去最高の31万4614件だった。近年は多重債務、離婚、親子関係などの相談が多いという。

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