バイオレンス小説で知られる勝目梓さんと、国民的コメディアンの志村けんさん…

西日本新聞 社会面 内門 博

 バイオレンス小説で知られる勝目梓さんと、国民的コメディアンの志村けんさん。3月に相次いで亡くなった。九州の炭鉱とは一見縁がないお二人だが、いつか炭鉱絡みの話を聞いてみたかった。

 東京生まれの勝目さんは1950年代に5年間、長崎の炭鉱で働いた。経験が生きたのは2013年刊行の「ある殺人者の回想」。伊万里湾の炭鉱の島で起きた殺人をめぐる因縁を昭和史と重ねた。鉱内描写がリアルだった。

 志村さんは、高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」で筑豊出身の炭鉱員の役を演じた。高倉さん自らのオファーを快諾した貴重な映画出演。普段のコミカルさとは一転、九州から北海道に流れた炭鉱員の悲哀がにじみ出る演技だった。

 「狂気」の勝目さんも、「喜劇」の志村さんも、実は不器用な男の描写、演技に真骨頂がある。炭鉱マンは格好の題材だった。勝目さん原作映画に出演する志村さんの姿も見たかった。 (内門博)

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