長時間のマスクで肌荒れ…対処法は? 皮ふ科医に聞くスキンケア

西日本新聞 くらし面 川口 史帆

 寒さが去り、青空も増えた。過ごしやすい気候なのに、春は肌トラブルが多い季節だという。肌疾患の治療やスキンケア指導をしている、Rパークサイド皮ふ科(福岡市中央区)の日高らん院長(43)に原因と対策を聞いた。

 花粉や黄砂

 春はスギ、ヒノキなどの花粉が飛散するのに加え、偏西風に乗って黄砂や微小粒子状物質PM2・5も飛んでくる。黄砂は皮脂を酸化させ、PM2・5に含まれるニッケルやコバルトなどの金属粒子は肌を刺激し、かゆみやかぶれ、肌荒れの原因になる。

 口から吸い込んで症状が出ることもあるが、最も効果的な対策は肌に付かないようにすること。マスクやゴーグル、肌表面の静電気を防止するスプレーも活用できる。外に出るときは帽子も有効だ。

 肌ケアの基本は、紫外線予防と適切な保湿。「一年中大切だが、春は特に心掛けて」と日高さんは語る。理由の一つは、春は夏に劣らず紫外線が強いこと。紫外線は日焼けだけでなく肌を乾燥させ、表面の免疫機能を下げる。吹き出物などの原因になるほか、ヘルペスを誘発することもある。

 日焼け止め

 春に日焼け止めを使う習慣は徐々に広がっており、日焼け止め成分を含む化粧下地や、男性用を銘打った商品も増えている。ただ、白浮きを気にして少量しか塗らない人が目立つという。少ないと機能通りの効果が出ないため、1回につき少なくとも直径7ミリほどの円を二つ分、顔と首に塗るのが理想だ。環境省の紫外線環境保健マニュアルは、数時間おきに塗り直すことを勧めている。

 日焼け止めの主な成分は、その機能によって紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類に分けられる。吸収剤は散乱剤に比べて肌への負担が大きいものが多く、敏感肌の人などは確認して使うようにしたい。

 乾燥を防ぐ

 また、春は冬より空気が乾燥しやすい。福岡管区気象台によると昨年、福岡で、一日の最小湿度の平均が最も低いのは5月だ。日中の気温が上がることなどが要因という。

 乾燥を防ぐ基本は「洗いすぎない」と「こすらない」。頻繁に洗うとバリアーを担う皮脂が取れ、それを補おうと皮脂が過剰に分泌される。こすり洗いは、細胞と細胞の間にある潤い成分を流失させてしまう。

 肌のバリアー機能が壊れると、湿疹やただれ、細菌増殖による皮膚炎が起こりやすい。皮脂量の多い若者は例外のこともあるが、大人ニキビの多くは、間違った洗顔やケアが大きな要因という。厚く泡を立て、指と肌が触れないよう、泡でなでるように洗おう。

 使い分けを

 今年は新型コロナウイルス対策で、マスクを着ける時間が増えた。鼻や頬などへの摩擦が増えるだけでなく、蒸れによって肌の水分バランスが乱れて保湿機能が下がり、肌荒れを起こす人が増えているという。ガーゼを折り畳み、口元との間に挟むと蒸れにくい。

 綿製のマスクは不織布製に比べて飛沫(ひまつ)の拡散を防ぐ効果は劣るが、通気性が良く肌には優しい。時間や場所によって使い分けたり、人が少ない場所でマスクを外す時間を設けたりするのも一つの方法だ。

 アルコール消毒による手荒れも増えているため、ハンドクリームもこまめに使うようにしたい。日高さんは「春の肌トラブルが持続すると夏の紫外線対策も不十分になり、さらなる乾燥や染み、しわの増加といったお肌の老化促進につながる。適切なケアを」と呼び掛けている。(川口史帆)

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