亡き祖父の句に孫がイラスト 「優しくて和む」ツイッター投稿に反響

 祖父の思いを感じながらの「共作」が続く。長崎県佐世保市で暮らす祖父の俳句に関東在住の孫が猫のイラストを添えてツイッターに投稿したところ「絵も句も優しくて和む」「心にすとんとひびく」と反響が広がっている。始めたのは、病床の祖父を励ますためだった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で見舞いにも行けないまま、祖父は他界。その後も投稿を続け、作品は100点を超えた。

 佐世保市野中町の高田輝雄さんは元刑事で、警察署長も務めた。長く俳句に親しみ、緑風(りょくふう)の雅号で出版した句集「天の鶴」は2005年に佐世保文学賞を受賞した。

 孫の男性(36)が俳句から着想したイラストをツイッターに投稿するようになったのは、高田さんが体調を崩して入院した1月からだった。多摩美術大でデザインを学んだ経験があり、俳句から感じるまま、擬人化した猫のイラストをタブレット端末で描いている。

 看病していた叔母が作品を見せると、祖父は相好を崩したという。警察官の頃は厳しい表情も見せたが、孫にとっては優しいおじいちゃん。

 <長き夜を一人が生まれひとり逝(い)く>

 <小鳥来る鳥語わかれば応へたし>

 17音から祖父の感性や穏やかな日常が伝わる。ツイッターのフォロワーは3カ月で千人を超え、祖父の俳句がたくさんの目に触れることに喜びを感じるようになった。

 その祖父は4月14日に亡くなった。享年94。新型コロナの影響で葬儀に駆け付けることもできなかった。俳句の話も、込めた思いも、もっと聞いておけばと悔やんだ。

 ツイッターで報告すると「これからもおじいさまとのコラボを楽しみにしています」とコメントが寄せられた。「祖父への感謝を込めて始めたことが、多くの人に楽しんでもらえている」。想像もしていなかった反応がうれしかった。

 きちんとお別れができていないから、今も祖父が生きているように思える。ツイッターのアカウントは雅号を使った「@ryokufu4」。祖父の元にも届くよう、願いを込めて発信する。 (平山成美)

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