原発規制委、コロナで審査遅れも 秘密保持でネット使えず

西日本新聞 総合面 吉田 修平

 新型コロナウイルスの感染拡大が、原発の安全性を見定める原子力規制委員会の審査に影を落としている。感染防止のため3月末から約2週間にわたって中止された審査会合は、テレビ会議で再開にこぎつけた。ただ、テロ対策施設などの非公開審査は秘密保持のためテレビ会議では会合を開けず、書面に限った対応を余儀なくされる。審査が長引けば原発の稼働状況に影響しかねない、との見方も出ている。

 審査会合は通常、規制委が入る都内のビルに電力会社の担当者を招き、たとえ短時間でも原子力規制庁の職員を交えて議論。一般傍聴者や報道機関にも公開し、インターネット中継も実施している。

 だが感染拡大に伴い、3月30日以降は審査会合を中止。4月7日に東京都など7都府県に緊急事態宣言が出たことを踏まえてテレビ会議で開く方針を決め、同14日に再開した。

 テロ対策で設置が義務付けられた特定重大事故等対処施設(特重施設)の審査は元々、秘密保持の観点から非公開。セキュリティー上の理由でインターネット回線などを使った会合もできないため、書面による審査を行う。対面での議論ができないことから、設置遅れで稼働停止を余儀なくされる関西電力高浜原発3、4号機(福井県)などの審査に遅れが出る可能性は否定できない。

 現在、規制委が抱える審査案件は数十件で、九州電力が申請中の玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)の特重施設の工事計画認可など8件も含まれる。感染の終息が見通せない中、更田豊志委員長は「新型コロナ対策がもう一段、二段引き上げられるような状態になれば、進行中の審査への影響は避けられないだろう」としている。 (吉田修平)

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