オンライン学習支援に地域差 九州の自治体 休校延長で格差拡大も

 新型コロナウイルスの影響で小中高校の休校が長期化する中、西日本新聞は九州の7県と県庁所在市、福岡県内の全自治体にオンラインを活用した学習支援や、授業時間の確保についてアンケートを行った。同時双方向型のオンライン授業は、福岡県内では60市町村中、久留米、春日の2市だけが導入。県庁所在市では、熊本市立の全小中学校と長崎市立の一部が導入していた。政府の緊急事態宣言延長による休校継続の判断も各地でばらつきが出ており、支援態勢による学びの格差も懸念される。

 アンケートは4月30日と5月1日に行い、各教育委員会が電話で回答。7県には県立高、県庁所在市と福岡県の自治体には市町村立小中学校の状況を尋ねた。

 双方向型授業について県立高では、福岡、佐賀、長崎、大分、宮崎の5県が一部で導入。福岡は約20校、佐賀は3校が授業やホームルームでも試行していた。両県は順次、対象校を増やす方針という。熊本、鹿児島の両県は「準備を進めている」とした。

 県庁所在市の小中学校は、長崎市立の一部でビデオ会議システムを使った双方向型学習支援を行っていた。福岡、佐賀、大分、宮崎、鹿児島の各市立ではなかった。

 文部科学省によると、4月中旬時点で同時双方向型のオンライン指導を行っている自治体は5%。福岡県内の公立小中学校で行う自治体は3・3%だった。導入していない理由として、タブレット端末や通信環境の未整備を理由に挙げる声が多く、家庭での学習支援は課題プリント配布にとどまるケースが目立った。

 アンケートでは、休校で減った授業時間の確保についても尋ねた。各自治体で夏休みの短縮や土曜授業のほか、1日の授業時間数を増やすことを検討。大分市は夏休みを12日間に短縮する予定で、福岡県古賀市は修学旅行以外の全学校行事の中止を決めた。

 教科書の配布時期については、福岡市が唯一大型連休にずれ込んだ。市教委は「休校中の過ごし方も指導するため、4月中旬に登校日を設けたものの、保護者の反発が強く断念した。配送の準備に時間がかかった」と説明した。

 政府が休校要請をした3月2日から4月末までの登校日数(一部学年が出席した行事や保護者による教科書の受け取りなどは除く)は、福岡市や福岡県の中間、小郡、みやま各市でゼロ。新学期に一時、学校を再開した佐賀や長崎、鹿児島の各市は10日以上登校していた。

(金沢皓介、編集委員・前田英男)

 

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